帰ってから簡単なプリントをやって、
潤と、ママと、近くのコンビニに行った。

ママが、きのこの山や、ポテトチップスクリスプや、Metsなんかを手土産用に買ってくれた。

ママの好きなアイドルがCMしてる商品なんだって。


少しすると雅紀とニノがやってきた。

ニノが
「にのみやかずなりです。しょうくんには、いつもおせわになっています。」

なんて挨拶したもんだから、ママはすごく感心して

「こんなしっかりしたお友達なら、安心だわ!」

って上機嫌だった。


実は、もう既に入学式で会ったときに、
オレたちのママは5人で連絡先を交換してグループラインしていたらしい。

恐るべし、ママ友ネットワーク!

でもおかげで、今日すんなり智くんちに行く許可がおりた。


コンビニを出て、公園を抜けた。
入学式の時に満開だった桜が、桜の絨毯みたいになってる。
風が吹く度にぶぁーっと花弁が散った。


「えいっ、えいっ、あぁ!おしい!」

「あー、いま、さわったのにぃ!」

「えいっ、あれっ、むづかしいな!」

誰からともなくぴょんぴょん跳ねて、手をパンパンやって、花弁を掴まえようとしたけど、なかなかうまく掴まえられない。

「とったーー!」

「うっそ!」

「まー、すごい!」

「まーくん、どうやったの?」

「みててね、こうだよ!」

雅紀が手当たり次第にパンパンしてる。
なんか、変な動きだな!

「はらね!とれた!」

「スゲー!オレやってみよっと」

「あはは、しょおくん、なんかちがう~」

「ははは、しょうちゃん、それじゃとれないよー」

「えーっ、じゃあじゅんとニノもやってみろよー」

「いいよ~」

「あははは、なんだよ!
ふたりとも、なんかちがうよ!」

オレたちは、お腹を抱えて笑いこけた。

「ぜんぜんとれなーい」

「まー、すごいね!あんなのできないよ!」

「ぼく、もう5枚ゲットしたよ!」

「ええーっ!?すごーい」

「まさき、マジですげーー!
おまえミラクルだな!!」

「いえーい!
それじゃ、ミラクルあいばが、1まいずつプレゼントするぜ!」

「いいの?ありがとう!」

「やった!」

「まーくん、ありがと!」

「くふふ、じゃあ、あと1まいは、おーちゃんにあげよ!」

「そうだね、はやくとどけよう!」

「いこっ!」

オレたちは、智くんの家に駆け出した。