会場/公演期間

料金 3,000円 ~ 3,500円
サイト http://ameblo.jp/azadan2011/



2010年に解散した演劇集団アーバンフォレストの座付作家だった穴吹一朗さんが2011年に立ち上げたユニット「東京アザラシ団」の第二回公演。昨年の「戦国鍋祭り」「大江戸鍋祭」の脚本や、2010年の「真夜中の取調室」「Tシャツ三国志」の作・演出など、シチュエーションコメディを得意とする穴吹さんの作品だっただけに期待も高まっていたのだが、充分に魅了された極上のミステリーだった。

いつも感じることだが、穴吹一朗さんが舞台に登場するだけで何故か笑ってしまうワタクシ。彼は笑いを誘うオーラをいつも身に纏っているような気がするよね。笑


今回の物語はインターネットのオフ会を利用してミステリーマニアらが放火魔に家族を殺された復讐をするというもの。これを嗅ぎつけた刑事らが彼らの集まっている部屋に盗聴器を仕掛け、様子を探るも刑事らのドジっぷりのお陰でこのミッションに失敗する。


序盤、刑事らの風景から。どこが刑事?と思わせる場面。機密事項は駄々漏れだし、盗聴器やカメラの仕掛けにも失敗するというダメ刑事っぷりが観ていてあまりにも鮮やか!笑


このとき、刑事本田の妻が離婚届を持って乗り込んでくるも、刑事らはこの妻に圧倒されっぱなしで、追い出すことも出来ない。この刑事が居る部屋が暗転後、オフ会の部屋へと変わる。


2部屋の描写を同時進行で右と左で見せる舞台はよく観るが、こういった時間差で物語を構成し伏線をたたみかけるように見せる場面は流石。だからオフ会の風景で刑事たちが話していた種明かしが見えて、これも楽しい。更にオフ会で集まったメンツの裏事情にも伏線をばら撒き、ミステリアスな展開となる。ここの描き方や構成が小説を読んでるようで上手い。


一方で明石刑事がミステリーマニアらに関わって放火魔に復習を加えようとしていた事実も判明し、本当に復讐を誓った彼らが血なまぐさく放火魔を殺害したのかと思いきや、そう出来なかった後味の良さも絶妙だった。多いに笑いながらも物語性に感心した舞台。