亀山×伊丹 | 君なんか嫌いだ。

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刑事もののドラマやマンガなどのBL小説を執筆しています。


初詣

(場所はどっかの神社です)




「うわ~すげぇ人混みだな」

「だから嫌だっつったんだよ、さみぃし」

「俺のジャンパー貸してやろうか?」

「い、良いっ。んな、きたねぇの」

ぷいっと顔を逸らした伊丹を見て、亀山は小さく笑いながらジャンパーを脱いだ。

顔を逸らしたのも、いつもと変わらない暴言も、照れ隠しだと分かってるからだ。

「ほらよ」

「うお」

亀山のカーキ色のジャンパーは伊丹の上半身をすっぽりと覆った。

背丈は変わらないものの、伊丹よりも亀山の方が体格が良い。

それを改めて実感させられ、伊丹はふん、と鼻を鳴らした。

しかし、やはり先ほどとは比べ物にならないくらい温かい。

ふ、と亀山を見ると、当たり前だが上半身はジャンパーの下に着ていたスウェット一枚だ。

「おい・・・お前は寒くねぇのかよ」

「あ?俺は大丈夫だって。ま、鍛え方が違うからな」

ニッと笑った亀山を見て、伊丹は唇を噛んだ。

「うるせーなっ、俺は「それに、家帰ったら伊丹に温めて貰うからいーの」

「なっ・・・」

「おみくじ引こうぜ」

「~ったく」

反論しようとする前に亀山はどんどん歩いて行ってしまい、伊丹は仕方なくその後を追った。


「一回百円です、お兄さん」

「俺ともう一人で二回分ね」

「はい。この箱を振ると番号のついた棒が出てくるので、それを持ってきて下さい」


「俺から引くぞ。・・・あ、26だって。はい、伊丹の番」

「んー、32」

それを持って行き、おみくじの紙と交換してもらう。

亀山は意気揚々とその紙を開いた。

「おお、大吉だって。よっしゃー良いことあるかなぁ。伊丹は?」

ちらっと伊丹のおみくじを見た亀山はぷっ、と吹き出した。

「・・・お前凶かよ。俺初めて凶引いた奴見た」

「何笑ってんだよ馬鹿亀っっ!」

「だって・・・ぶふっ」

「もう良いっ、俺帰るからな!」

おみくじをくしゃくしゃにしてポケットに突っ込もうとした伊丹の手を、亀山が制した。

「悪いおみくじはくくりつけてくんだぞ。ほら、貸せよ」

亀山は、伊丹の掌から凶と書いてあるおみくじを取ると、一番高い棒にきゅっと縛り付けた。

「よし、これで良いだろ」

「チッ、行くぞ亀」

新年早々ついてねぇ、なんて思いながら踵を返した伊丹だったが、急に熱くなった右手にビクッと

体を震わせ立ち止まり、亀山を見やった。

「んな・・・」

「ま、どんなことがあっても俺が守ってやるから。心配すんな」

そう言って亀山は再度ぎゅうっと伊丹の手を握る。

みるみる赤くなっていく伊丹の顔に、亀山はやっぱ可愛いなこいつ、と顔を綻ばせた。

「分かったから・・・とりあえず、手離せよ」

「やだ」

「やだってお前、」

「人いっぱい居るんだし平気だって」

「・・・・・・仕方ねぇなぁ」




end





いたみんは何だかんだ言って亀山くんと初詣に行くこと自体嬉しいんです、本当は(笑)

今年も二人はバカップルでいればいいと思います←

文がたがたかもしれませんがお許しを~。