船が後折った時にできる白いさざ波みたいなのを「ひきなみ」というらしい。
通ってきたあとにできる道、道を歩いてきたんではなく。
二人の女の子が見えない道を作っていくストーリーと作者がいっています。
女への抑圧みたいなもの、小さき頃からひしひしと感じる真以と島で出会った葉。
両親はいるけれども、親に捨てられたかのように祖父母のいる島に一人追いやられた。数か月で迎えに行くという母親だが一向に来ない。
主人公葉にとって、よりどころとなっていた真以にも実は母がいた。
島の人がみないう「あの女の子」「フーゾク」「トクシュイアンフ」幼き頃にはわからなかった単語、そして初潮を迎えた葉。
女というしがらみをより一層感じるようになりつつ、支えあい成長していく二人。
ある日島に潜伏する脱獄犯をかくまっていた。
そして突然髪を切り、そのままその男と逃亡した・・・。
その後発見はされたが、いろいろな憶測、噂のなか何十年かして出会う二人。
葉は職場でのハラスメントと闘っていたが、真以はいまだにあの時の逃亡事件とも戦っている感じでした。
女というだけで、いろいろ背負わされている感は共感できる部分が多かったです。
生まれたときから真以は親の職業で、女として見られ続けていたんだね・・・。
それに抗うべく、自分らしく生きようと必死だった姿が逆に痛々しい感じがして読んでてつらくなる。
本だからこその出てくる男がすべて糞な感じがいらいらする(笑
男尊女卑もここまで行けば化石級なんだが、結構いまだに田舎のほうはこんな感じだろうし、特に風俗系の女の人をさげすむのは男も女も、そうマウント(?)でも取らないとやってけないからなのかねぇ、子供にまでそう教え込むあたりほんと糞。
女から生まれてくる割に男のほうが上って思うのは何なんだろうね・・・ほんと。
とにかくハラスメント上司の糞っぷりや島のおじいの男尊女卑に嫌気はさすが、懸命に自分らしく頑張って生きようとしてる二人がよかった。強くなれ!
内容紹介(出版社より) 思春期の出来事を機に真以に心を寄せる葉だったが、真以は脱獄犯の男と共に逃亡、姿を消してしまう。20年後、ネット上で真以を見つけた葉はたまらず会いに行くがーー。現代を生きるすべての女性に贈る物語 第一部 海 第二部 陸(おか) 解説
内容紹介(「BOOK」データベースより) 精神的に不安定な父を支える母と離れ、祖父母の住む島に1人やってきた小6の葉。島の子に携帯電話を取り上げられた葉を救ってくれたのは、同じく祖父と暮らす真以だった。急速に近づく2人だったが、島に逃亡してきた脱獄犯と共に真以が逃げたことで、葉は裏切られたように感じる。20年後、偶然ウェブ上に真以の写真を見つけた葉は、会いにいくことを決意するがー現代を生きるすべての女性に贈る物語。