未知のウイルスと騒がれた新型コロナや3.11のことが題材になった作品もあります。

どの短編集も素敵で心に残るものでしたが、私は新しいママがやってきた盆のお話が結構好きでした。

「送り火のあとで」という作品ですが、姉弟のいる家庭のお母さんがなくなって、お盆にお母さんが帰ってきてるという話ですが、もうおばあちゃんちにはいかないと決心する盆で、ママ(継母)に気を使って、最後だからといっぱいおばあちゃんに甘え、お母さんと別れる姉の思いと、それをわかっている大人たちの気持ちなど、優しいです。

 

「かえる神社の年越し」はなかなか面白いなと私は思いましたね。

ひっくり返したい願を描く・・・返せそうな願いならいいけれど、”3.11”やコロナ禍の”2020”と書かれた短冊の願いは重すぎるとねを上げるカエルさん、でも頑張るよと前向きにこなそうと努力はするというのがあったかいなぁと。

短冊の願いの自分だけの願いじゃなく、漠然と壮大な願いを描いた子供の短冊の発想は、意外とそこまでの願いじゃないのかもしれないけれど、でもそうじゃないかもしれない、世界平和の願いが本当に込められているのかもしれないと思うところがよかったです。

 

いろんな寂しいがある中で、子供がなくなるということがあるわけですが、最後の最後天に召される前の段階の世界があって、子どもだけがいられる空間みたいなのが、私の中ではちょっと悔しいというか、ショックだったのかなぁ。

違う意味で泣けました^^;

虐待とか、病気とか、いろんなことで幼く命を落とすこともある。

虐待でなくなったと思う子供がいて、回想録で御免なさいばかり言ってた幼少期みたいなのがちらっと出たんだけど、あざが消え自分も最後を決めたからと、笑顔になれたからと終着点に行く電車の切符を手にしたけれど、思い出した時点でまた暗い影を背負ったんじゃないの?本当に乗っていっていいの?っておもってしたったり、自分に重ねて私自身も割と幼少期の思い出って「ごめんなさい」ばかり言ってた記憶しかなくて、でも私はもう大人で、自分で消化してから旅立たなきゃいけないんだと思ったらなんだか悔しくて・・・

その話だけがちょっとひっかかったというか、ほっこりできなかったかな。

 

ほかにもいじめや戦争、人種差別(?)のつらい思いがあり、でもそこにも小さな希望があるような展開でした。

「ごめんな、こんな世の中にしてしまったのは、おとななんだよ。」