中学生って心と体がどこかバラバラで不安定、多感な時期。
村内先生というある特徴(吃音)のある先生が登場し、生徒に寄り添いそっと解決して去っていく。
短編集のようでありながら、村内先生が移動する様々な中学校の生徒と、軸の先生が登場することで単なる短編集ではない感覚になります。
重松氏の描く本ってどれも、いい!
今回の本は、友達が近くにいてもどこか一人と感じる生徒をターゲットにそっとよりそっていく先生が書かれています。
なかなか生徒の闇を見分けて寄り添ってくれる先生なんていない中、だからこそ臨時教師としてふらっとやってきてさっと去っていくような、大切なことを教える宣教師なんでしょうねぇ。
さらに言えば先生の特徴がこの本をぐっと後押ししてくれる。
言葉がうまく出ないからこその、言葉の大切さ、言葉の重み、意味などを伝えられるんじゃないかな。
助けてほしいと思うときに、そっと寄り添ってくれる大人。
先生の真剣な、大切なことしか言わない人がいたら・・・私ももっと違った大人になれたかもしれない。
どうやら映画になってるとか、しかも村内先生が阿部寛?!
私のイメージとちがーう!w
もっとずんぐりむっくり系?のイメージだったのに(いまどきなら、芸人のせいやとか? 中年でなんとなくあったかい気持ちになれそうな人って誰がいるだろう?あ、声は阿部寛、いいね!!)
先生をナイフで刺しちゃった子や、レールに乗るのが嫌ではみ出しちゃう子、親の苦労を見て苦しんでる子、いじめてるつもりなかったのに相手は深刻だった・・・などなど、どこにでもありそうな出来事でも皆それぞれいっぱい悩んだりしている。大人になったらほんとささいなことでも、真剣に悩んでる。
正しいことじゃなく、大切なことを教えてくれる大人って、大事な尊大だなと感じました。
義務教育の子供たちに読んでもらいたいような、そんな本でした。