警察が正義だと思うなよ!という感じの本です。

警察学校に侵入し道場やぶりをする高校生の少年(中田)が、お前の居場所を作ってやるといわんばかりに巡査武将の川村にスカウトされることからはじまる。

親に捨てられ施設で育ち、自分の持って行き場のない少年を自分の家(?)に招き入れ、凶暴な少年の更生でもするのかと思いきや、合法的に(?)人を殺傷してもいい部署に送り込む。

頭はよかったんだろうな、この少年・・・

 

無事特殊部隊SATの隊員になる野蛮な中田、そして職場で対立(対極)関係になるSITのエリートまじめな谷垣。

中谷はもちろん世話役の川村がついてはいるが、上流な権力を持った者に当たり前のようにこびへつらうまじめな警察官が苦手なのか、谷垣にちょっかいを出す。

事件解決のために犯人を説得し、人質の命を救う警察として動く谷垣の命令に従わずに犯人をすぐ射殺する中田。

 

私の中で彼の抱く正当性もわかるし、まじめ警察の法則もわからなくもないな…と感じてしまうストーリーではある。

もっと凶悪犯で殺して当然と思うような犯人なら警察官としてまっとうにまじめにやり遂げる谷垣のやり方に納得いかないというだけになってしまうが、今回は犯人(加害者)の苦痛もわかるし、同情心だけじゃいけないのはわかるが、やはり犯人を射殺する必要性はなかっただろと思わせたストーリーがよかったんだと思う。

 

結局厚生省関係者ばかりを狙う犯行によって、NDLという団体が絡んでることを知る。

ドラッグ・ラグを取り扱う展開になっているが、これはコロナ禍にかかれたものであるので、別の病気の治療薬の〇〇メクチンがなぜ使えないのかという問題にかかってそうな印象。 

正直苦しんでる人からしたら、とりあえずききそうなものは何でも試したい状況なはず。

なのに手術などでもやたら万一を気にして承諾書書かせて本人に責任押し付ける割には、これ試したい、あれ試したいといっても医師から許可が下りないんだよね。

コロナの特効薬が出る前なんて、ワクチン押し(いまもだけど)さらには若いやつらは放置という治療(?)されて薬すら処方されなかった(出してくれて鎮痛剤、風邪薬すら出ない)。

 

新薬の認可を待ち望む末期患者がいる一方で、なかなか承認を得られないという問題のドラッグラグは、患者の気持ちを本当に組んだものなのか?本人の承諾得ましたという一筆書かせて試したらいいだけじゃないのか?(死んでも本人の自己責任だと一筆書かせて責任逃れしたらしまいでしょ?)

 

社会正義を振りかざすだけ、責任逃れしたいだけ・・・時にはこういう乱暴な考えも必要じゃないのかとはおもうが、それが警察となるとどうなのか。

どうせ凶暴犯捕まえても刑期で死刑を言うのならその場で・・・という中田っぽい考えも悪くないなと思ってしまった私^^;

 

次回作がもしあるのなら読んでみたい。

まぁ・・・こういう考えの警察がいたら怖いけどね、でも上に媚びうるエリートさんだけの警察が、正義だとは思えないのは事実なんで、このエリートがダークサイドに落ちていくさまが見たいかななんて思ってます。

本だからこそ、ですよw