東京オリンピックの話です、昭和の。
この本、とてつもなく分厚い!500ページ以上もあるのに二弾で書かれてるんだよ、文庫本だと2冊なのか?きっと分厚い二冊なんだろうなぁ・・・
それにしても戦後の日本がどのように頑張ったのか、新幹線を通し、競技場を作り、そのためにどれだけの人が死んだのか。
オリンピックで沸く日本国民にまぎれ、東大院生がしでかしたどでかいことってどれだけの人間が知ってるのかって内容にちょっと恐怖を感じましたね。
こんなにでかいことしても新聞にもならない、国民が知らない大事件。
オリンピックを人質に8千万を要求・・・
大都会と田舎の格差、富裕層と貧民の格差、繁栄に隠された真実に憤慨する男。
テロリストのはずなのにどこか魅力的にも感じる東大院生、やっぱ知性がものを言ってるのか?!
一企業に怒るのではなく、その大元締めの国家に怒りを向け、行動をするところがすごい。
協力者が出てきたりもするけれど、彼の思いがでかすぎて協力が微力ながらにはできるけど、共に生きるのはむつかしいとすら感じてしまえるほどの信念。
ここまで格差に怒り、行動を起こさなきゃと思える人がどれだけいるのだろうか。
来年にはまた日本でオリンピックが開催されるけれども、そのためにどれだけの犠牲があるのか、高度成長期だったからこその光と影では済まされないものが今回のオリンピックでも実はあるのではないかと考えさせられた。
国家の恐ろしさ、今も昔も変わってないのでは?!
受賞歴 第43回(2009年) 吉川英治文学賞受賞
内容紹介
昭和39年夏、オリンピック開催に沸きかえる東京で警察を狙った爆発事件が発生した。しかし、そのことが国民に伝わることはなかった。これは一人の若者が国に挑んだ反逆の狼煙だった。著者渾身のサスペンス大作!