テーマは子供の貧困でした。

中学生の女の子ネガが、同級生ののぞみ殺害容疑で取り調べを受けることに。

のぞみの印象はみなよく、逆にネガの印象は悪い、だからといって人殺しをするような子なのか?!

生まれながらの貧困で、見るからにみすぼらしい生活をしていたネガに教師はアフリカの子よりもましだろうから頑張れといい、同級生は臭い汚いとののけものに。

家に帰っても母親は働かなくなり、最終的に娘を深夜バイト(居酒屋)に大学生と偽って働かせるような親。

貧困に悩み高校すらいけないのかもと思っている子に手を差し伸べる人がいない現実もつらいけど、今までから生活環境が一変したのぞみの境遇もなかなかのもので、生き方が双方違っても貧困にあえいでるのは同じ。

 

余裕なく生きてる中、必死に耐え、でもあったのは絶望だけだなんて・・・。

必死に生きようとしてる中、最後の自分の支えがなくなった時、人は死を選ぶのでしょう・・・

のぞみが必死に生きてたよりどころがなくなり自殺を選んだ時、親友だと思っていたネガは一緒に行く約束をしたのにとおもうことでしょう。

でも親友だからこそ、のぞみはきっとまだ夢へのチャンスのあるネガは道連れにできないと一人選択したんでしょう。

そして死ってこんなんだよ・・・と自分の一番醜い有様をぶつけた。

なかなかショッキングなことをするなぁのぞみ。

 

ネガもなかなか、勉強はできないようだけど知能犯です。

とはいえ、ラストのラストにネガの容疑がはれ、自殺ということでまとまりそうな時、新事実が出てくるとは。

 

生活保護を受けることのむつかしさ、貧困の現実。

負の連鎖を止めるためにはどうしたらいいのか、なかなか重い内容でした。

結構好きな部類だったのですぐ読めました。

 

 

内容紹介 

神奈川県川崎市で、14歳の女子中学生の冬野ネガが、同級生の春日井のぞみを殺害した容疑で逮捕された。少女は犯行を認めたものの、「あんたたちにはわかんない」と動機は全く語らない。 なぜ、美少女ののぞみは殺されたのか。 二人の刑事が捜査を開始すると、意外な事実が浮かび上がってくる。 希望の「希」という漢字が「ねが(う)」と読むことから名づけられた、ネガ。現在は、母親の映子と川崎市登戸のボロアパートに暮らしている。 母はあまり働かなくなり、生活保護も断られた。まわりに頼れる大人や友人がいないネガだったが、あるとき、運命的な出会いをした……。 「キョウカンカク」でメフィスト賞を受賞し、『葬式組曲』が本格ミステリ大賞候補や日本推理作家協会賞(短編部門)候補となった著者による、社会派青春ミステリ。 

 

内容(「BOOK」データベースより) 

14歳の女子中学生が、同級生を殺害した容疑で逮捕された。少女は犯行を認めたけれど、動機は語らない。果たして真相は…。メフィスト賞作家が描く、社会派青春ミステリ。