ザ・グレート・ロックンアート・スウィンドル
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>

魔法のクラリネット


 

むかしむかし、あるところにヨセフという一人の音楽家が住んでいました。

 彼の作る曲はとても美しく、王様をはじめ、多くの人々に愛されていました。

 そのおかげで彼は、生活に不自由せず、妻とふたり、とても幸せに暮らしていました。

 あるとき、妻のマリアは言いました。

 「ねえ、あなたはどうして、いつもそんなに美しい曲がかけるの?」

 「それはね。僕が魔法のクラリネットを持っているからさ」

 ヨセフはそう言うと、妻に大事にしているクラリネットを見せてあげました。

 「これが魔法のクラリネット? なんだか壊れているように見えるけど…」

 マリアはとても驚きました。 なぜなら、それは古ぼけていて、とても一流の音楽家である、彼の持ち物にふさわしくなかったからです。

 「そう、今は音も出ないんだ。 でもね、これは、僕が死んだ母からもらった、何よりも大切な宝物なんだよ。 

これがあるおかげで、僕は素敵な曲がどんどんかける。 これは僕の守り神なんだ」

 マリアはちょっと不思議に思いましたが、それほどまでに夫が言うのなら、それはきっと本当に、魔法のクラリネットに違いない と思い、以後、そのクラリネットを部屋の目立つところに飾り、とても大切に扱いました。

 ヨセフの家を訪れる人は、おんぼろのクラリネットを自慢するふたりを、とても不思議に思い、それはちょっとした評判になりました。

あるとき、街の噂を耳にした王様は、ヨセフを呼び出し、こんなことを言いました。

 「なあ、ヨセフ。 聞くところによると、おまえは素晴らしいクラリネットを持っているそうじゃないか。 

実はお前にお願いがあるんじゃが、そのクラリネット、わしに譲ってはもらえないか? 

なあに、モチロン、ただとはいわぬ。 かわりに好きなだけの財宝を持っていってかまわんぞ」

 「申し訳ありません、王様。 いくら王様の願いとはいえ、どうか、それだけはご勘弁ください。 

それに、そのクラリネットは私の母の形見。 王様が持っていても、少しも価値がないものです」

「そうかあ、大金持ちになるチャンスだから、おまえも喜んでくれると思っていたんだがなあ。 

それほどまで言うのならしょうがない。 クラリネットはあきらめるとするか…」



 大金持ちにはなれなかったけど、ヨセフは十分に幸せでした。

 それからもヨセフは、数々の名曲を生み、すべてに順調な日々を送っていました。

 
 

ところが、ある日突然、不幸がやってきたのです。

なんとヨセフの家が火災に見舞われ、全部が燃え尽くされてしまったのでした。

 ちょうど、外出していたヨセフは、自分の家が焼けているという噂を聞きつけ、大急ぎで家にかけつけました。

 ヨセフが家に戻ると、丸焼けになった家の前で、妻がしくしくと泣いていました。

 「良かった。無事だったんだね」

 ヨセフがそう、声をかけると、マリアは泣きながら言いました。

 「ごめんなさい。 私の不注意が元で、何もかも失くしちゃった…」

 ヨセフは言いました。

 「大丈夫。 形あるものは、いつかは壊れる運命なんだ。 家なんて、また建てればいい」

 「でも、魔法のクラリネットも一緒に焼けてしまったわ…」

 命の次に大事にしていた宝物を失ったことを知った夫は、いったいどんな顔をするのだろう? さぞかし、がっかりするに違いない。 

マリアはそう思いながら夫の顔を見上げました。

 ところが、意外なことに、ヨセフは少しも落ち込んではいない様子でした。

 「魔法のクラリネット? なんだいそれ? あんなのただのガラクタじゃないか。  

あんなものがなくても、僕はこれからもたくさん、いい曲を作れるよ。 

僕は大切なものを何一つ、失ってなんか、いないんだ」

 マリアは夫のそういった態度が、信じられない気持ちでした。 

でも、マリアが見る限り、ヨセフは決して強がりで、そう言っているのではないようでした。

 「ほら、そんなことより、あそこに変な形の石が落ちているよ。 あれはきっと、魔法の石だな。 

よし、決めた。 今日から僕は、あの石を宝物にするよ」

 ヨセフはそう言って、少年のような笑顔を見せました。

 

 それからヨセフは、言っていたとおり、さらにたくさんの名曲を作って、以前より大きな家を建てました。

ヨセフとマリア、そして、その子供ヨシュアは、その家で長い間、とても幸せに暮らしました。

 一階にあるリビングには、あのとき拾った石ころが、とても大事そうに飾られていたそうです。

初出「Nowhereマガジン」2007年3月号

 

 

死にかけたけど何とか生きているのだ

 

いやあ、つまった、つまった。 考えてみればずいぶん長い間、何一つ出てこなかったよ。

あ、コレ、ブログのネタの話じゃないよ。 それにネタって書くと、なんか作ってる感がいっぱいだから、それもちょっと不適切だな。

 よく実際の出来事を面白おかしく脚色したり、創作したりして、ブログに書いている人をみかけるけど、僕はそういうの、嫌いなんだ。

 よって、ここに書かれてるものは、すべて、僕が実際に体験した、本当にあった出来事なのさ。

そりゃあ、まあ、確かにブログの方もずいぶんご無沙汰してるけど‥

前アップしたのが確か7月のことだから‥エート‥エート‥おおよそ6ヶ月ぶりか‥

あれ?‥‥思ったほどでもないような‥
 
まあいいや、話が横道にそれたな。 そう、何がつまったかというと、それはもちろん、ウンコなのだ。

賢明な読者の皆様にはよくわかっていらっしゃると思うんだけど、僕のブログは8割方ウンコの話で出来ているのさ。

 いやあ、今回の便秘はひどかった。 昨日、やっと、開放されたんだけど、それはそれでえらく大変だったんだよ。


 

 

 昨日の昼間、外出していた僕は、街中で突然便意をもよおして、公園にある公衆トイレに駆け込んだんだ。

 洋式と和式があったから、僕は踏ん張りのきく和式の方を選んだ。

 僕が個室でしばらくイキんでいると、僕の肛門からメリメリって音をたてながら、ものすごくぶっといのが顔を出したんだ。

 やった~! 半月ぶりに見るウンコだぞ~!! 

 僕はガッツポーズを作って喜んだ。 まあ、本当の事をいうと、ガッツポーズはその前から作ってたんだけどね…

 それにしても、ぶっといなー。 握りこぶしくらいはありそうだ。 ていうことは、今、僕の肛門は、こぶし大に開かれているってことか。

 つまり僕は、やる気を見せれば、肛門にこぶしを突っ込む事が出来るってことだな。

 僕は力みながらも、自分のチンコ越しに見えるウンコの事を、冷静に観察していた。

 このウンコ、きっと、ものすごく硬いんだろうな。 このままでは水に流れないかもしれないぞ。

 それに、なんか、凄まじい臭いがする。 半月分のエキスが凝縮されているから、それはもう、臭い、臭い。

 はやいとこ済ませて個室から脱出しないと、鼻が曲がっちゃうかもしれないぞ。 

そんな僕の心配をよそに、ウンコは「鍾乳石か!」とツッコミたくなるくらいに、ゆっくりと、下の便器に向かって伸びている。

 僕はスパートをかけるべく、より一層、強く踏ん張った。 その甲斐あってか、ウンコはメリメリいいながら、だんだんと勢いづいてきた。

 そしてウンコが下の便器に到達した瞬間、不思議な事が起こった。 僕の両足が、床から離れたのだ。

 一瞬、何が何だかわからなくなったが、僕はすぐに状況を把握した。 

 つまり、僕のウンコがあまりにも硬くて、ぶっといから、中折れすることもままならず、そのまま肛門を支点に僕の体を持ち上げているのだ。

 勢いづいてしまった僕のウンコは、留まる事をしらずに体外に放出され続け、僕の体をどんどん上に持ち上げていく。

 なんか、理髪店のイスに座って、ジャッキアップされてる気分だな。

よおく観察すると僕はゆっくりと右に回転しながら床から離れていくようだ。僕の肛門の中には拳銃の銃身のように右巻きの溝でもあるのだろうか?

いや待てよ、右巻きだと僕から見て左回転になるはずだから、肛門の中は左巻きなのか?‥いや、どっちだ?

 しばらくはのん気に肛門に刻まれた溝について、あれこれと考察していた僕だったが、そのうち想像上のイスが、クイズタイムショックばりの高さになると、今まで体験したことがないくらいの、激しい恐怖を感じるようになった。

 「誰か~!!誰か~!!助けてくれ~!!サムバデ、ヘルプ、ミー!!」

 僕は個室から、ありったけの声を振り絞って叫んだ。 ついに僕の体は天井まで押し上げられ、僕は首を曲げた体勢で両腕と頭を使って、必死に天井を押さえつけた。

 メリメリ、メリメリと、相変わらず不気味な物音がする。 こうなると、それがウンコが出る時の音なのか、天井が軋んでいる音なのか、区別がつかない。

 「誰か~!!誰か~!!助けてくれよ~!!僕、こんなところで死にたくないよ~!!僕はトイレで突っ張り棒になる為に生まれてきたわけじゃないんだ~!!」

 僕が号泣しながら、叫んでいると、しばらくして、たまたま用を足しにきたおじさんが、公園のトイレに入ってきた。

 「うっ、何だ? このニオイは?」

 「あっ、おじさん!いいとこに来てくれた、助けて!止まらないよぅ~!ウンコ!はやく!急いで!!」

 僕はパニックに陥りながら、下にいるおじさんに助けを求めた。 

 おじさんはトイレブースの上から上半身だけを露出させ、天井に押し付けられている僕の姿を見て、何が何だかわからない様子だった。

 「何だオマエ、いったいソレ、どうなってんだ?」

 「残念だけど、今、おじさんにソレを説明している暇はないんだ。 いいから、早く助けて、このままじゃ僕、潰されちゃうよ~!!」

 「よ~し、わかった!」

 おじさんはトイレのドアをガンガン蹴って、ドアを破ろうとした。 しかしカギは思ったより頑丈で、なかなかドアを蹴破ることは出来ない。

 僕はひざに引っかかっていたズボンとパンツを床に落とし、足をバタバタ、股間をブラブラさせながら、つま先でなんとか、内側からカギをはずそうと試みた。

 だがしかし、あとちょっとのとこで足が届かず、それもなかなかうまくいかない。

 「あ~ん、こんなことなら、トイレのカギ、かけるんじゃなかった~!!」

 「そんなことで泣くなオマエ!俺が何とかしてやるから… くっそ~!! こうなったら、上から行こう!」

 おじさんは扉についた小さなドアノブに足をかけ、パネルの上に手をかけて、上によじ登り、上から僕を救い出そうとした。

 「うっわあ~!! なんじゃあ、こりゃあ~!!」

 おじさんは僕の近くに来ると悲鳴をあげた。

 おじさんは眼下に繰り広げられた、あまりに凄惨な光景に戸惑ったばかりでなく、下から立ち上げる強烈な臭気をモロに吸い込んでしまって、目に涙を浮かべながら、激しく咳き込んでいる。

 「ゴホッ、ゴホッ、うう、たまらん!息ができない… こりゃあ、とても、俺の手には負えないな。 悪いがオマエ、もう少し、ここで踏ん張ってろ!すぐに助けを呼んでやるからな!」

 おじさんはそういい残すと、下に飛び降りて、手で口を覆いながら、一目散にトイレから飛び出していった。

 「うわあ~!!おじさん待って~!!僕をひとりにしないで~!!僕、こんなトコで、ひとりで、死にたくないよ~!!誰か~!!誰か僕のウンコ止゛めて゛~~~!!」

 僕は依然下から突き上げる圧力に耐え、天井にへばりつきながら、より一層、声を大にしてビービーと泣き叫んだ。

 今の苦しみに比べたら、さっきまで、水に流れないか心配していた自分は、なんと、呑気で、幸せだったことか。

 僕は自分のウンコのせいで、死んじゃうんだ… 僕は遠のく意識の中で、少年時代に見上げた故郷の夕焼け空を思い浮かべていた…

 

 

 結局僕は、おじさんの通報によってかけつけた、ガスマスクをした7、8名のレスキュー隊員によって、なんとか無事に救出された。

 話にきくと、半径200メートル以内の住民を避難させ、決死の覚悟で行われた大救出作戦であったらしい。

 僕の体外に放出された危険物は50キロほどの目方があり、ハンマーで叩いても、決して砕けることはなかったそうだ。

 これは原発施設にお願いして、他のなんやら怪しい物と一緒に、地中深くに埋められることになったらしい。

 この異臭騒ぎは、ことのほか大きく報じられたから、昨今のニュースを見たりして、知っている人もいるかもしれない。

 それにしても、僕を救ってくれたおじさん、ならびにレスキュー隊のみなさん、本当にありがとう。

 おかげ様で、今の僕は、とてもスッキリして、実に爽快な気分なのだ。

まあ、鼻はまだ曲がったまんまなんだけどね‥



 ここで僕から、みんなへの忠告。 

 トイレでウンコをするときは、ドアのカギをかけないようにしよう!

僕のようになったら大変だよー。

 それと、何事もためるのはよくないね。 

 僕もこれからは、なるべくウンコもブログも、小出しにするように、心掛けることにするのだ。


初出「Nowhereマガジン」2007年9月号


 

ネットで見つけた記事から



まず最初にこれだけは言っておきたい。

僕は平和主義者だ。

人とケンカするなんて本当は好きじゃない。

僕はジョン・レノンに憧れて、愛と平和を守るべく「世の中を良くし隊」を結成し、日々、この世の悪と闘っている正義の戦士だ。

そう、愛と平和を守る為、しょうがなく僕は戦っているのだ。

そして戦うからには、僕はなんとしても勝たなければならない。

正義が負けるなんてことは、絶対にあってはならないからだ。

先日、僕はインターネットを使って、この世の悪と戦うにはどういった手段が有効か研究していたところ、大変興味深い記事にたどり着いた。

なんと、ある一人の少年が、絶対にケンカに勝てる方法を思いついたと言うのだ。

世の中には天才的な発想を持つ人間が、ごく僅かながら、確かに存在しているものだ。

僕はその少年の独創的なアイデアに驚愕し、そうか、その手があったか!と、思わずモニターの前で大声をあげてしまった。

ブログなんて、めったに書かなくなってしまった僕だけど、その少年の発案があまりにも見事で、これは一人でも多くの人に知ってもらう必要があるように感じたので、僕はこれを書く決心をした。

それではまず,皆さんにその少年の記事を読んでいただこう。

http://blog.livedoor.jp/candysokuhou/archives/28827573.html









どうだい? 

素晴らしすぎるだろ!

いや、実際素晴らしいよ。

僕はこの戦法を実践するべく、10人の猛者に勝負を挑んで、見事9人に完全な勝利を収めたんだ。

残りの1人に何故負けたのかって? 

よくぞ、訊いてくれた。

それはだって仕方ないよ。

だって、そいつは僕が言う前に、「でもお前この前うんこもらしたよね?」って僕に言ってきちゃうんだもん。

そうなると、僕はもう防戦一方さ。

もう何を言ってもいいわけにしかならなくなる。

気がつくと僕は道路で仰向けになって手足をバタバタさせながら、「僕、うんこもらしてないもん!! うんこもらしてないもん!!」て大声で叫びつつ、人目もはばからず、大号泣していたよ。

僕は負けた。

しかも、僕の場合、本当はうんこもらしてもいたから、もう完全なる敗北さ。

僕はこれで身を持って、この戦法が無敵であることを証明することになったんだ。

まったく恐ろしいことを考えつく少年(僕が想像するに、おそらく小学生)もいたもんだ。

みんなも関心したでしょ?

皆さんもこれから、やむを得ず誰かと戦わなければいけなくなってしまったとき、是非、この戦法を使ってみてね。

この僕が保証するよ。

あなたは絶対にケンカに勝つことができるから。















うんこ!/文溪堂

¥1,365
Amazon.co.jp





ペタしてね

1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>