小説妖怪大戦争ガーディアンズ/荒俣宏 | みゅうず・すたいる/ とにかく本が好き!

 

日本列島を東西に分断する裂け目、フォッサ・マグナ。そこに眠る古代の化石たちが1つに結集し、巨大な妖怪獣へと姿を変えた。
向かう先は東京。進路には日本最強の怨霊を祀る将門塚が――。
人間には天災にしか見えないこの襲来に、妖怪たちだけが真相と行く末に気づいていた。
このままでは世界が滅んでしまう。止められるのは、伝説の妖怪ハンター、渡辺綱の末裔である小学生・渡辺兄(ケイ)。
突然〈世界を救う勇者〉に選ばれた少年と、彼を巻き込んだ妖怪たちの大冒険が今始まる――!

 

 

 2021年の映画のノベライズ版。

映画ありきの企画なので、荒俣師らしい深掘りはなし。

それでもだいだらぼっちだの九尾の狐だの、超古代史だの、そのあたりには一家言あり。

やはり荒俣先生は荒俣先生。

博覧強記はパない!

 

 ストリー的にはやはり映画ありきなので、物足りない。

あちらもこちらも堀下げ足りず、物足りず。

渡辺綱の子孫であったり、九尾であったり、穏神刑部であったり、美味しいネタ満載なだけに、思いっきり振り切って欲しいと願うのは好き者の性。

とは言え、振り切ってしまうと好き者だけが喜び、本も映画も売れないという悲しい結果しか待っていないのだが、ストーリー的に物足りぬのはいかんともし難い。

 

 まあ、残念な結果に終わってはいるのだが、未見ながら、映画の方は楽しそうである。

機会があれば見てみたいものですね。