バイオハザード // 牧野修 | みゅうず・すたいる/ とにかく本が好き!
バイオハザード (角川ホラー文庫)/牧野 修

¥600
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 「バイオハザード」

 牧野修、著。 2002年


 ミラ・ジョボビッチ♪
「フィフス・エレメント」「ジャンヌ・ダルク」そして「バイオ・
ハザード」、独特の雰囲気が良いです。

 本人いわく、「オタク」だそうです。
モデル出身ながら、全てに体当たりの演技。
良いなあ、ミラ・ジョボビッチ♪

 この本は、牧野修さんの作品だけに、大幅な逸脱を期待したの
ですが、「本当に」ノベライズでした。
完全に、映画と同一のストーリーと言って良い内容。

 しかし、それでも面白かった。
このあたりは、さすが牧野修と言えます。
ただ、違いは情景描写と心理描写。

 映像で見せる訳ではないので、情景描写に登場人物の感じたモノ

を書きこむ事が出来る。
心象風景が表現出来るのが活字の強みですね。

 そして、一番の違いは、主人公の心理。
映画では、混乱しながらも、果敢に立ち向かうと言うスタンスでした
が、この作品では、戦闘マニア・殺人(?)淫楽症とでも言うべき
女性。

 嬉々として、ゾンビどもを銃で粉砕。
ナイフで延髄を的確に抉り、果ては、素手で脛骨を折る。
その時、彼女の顔には笑いさえ浮かぶ。

 ゾンビの群れを突破すると言う、過酷な状況に対して、怯える
どころか、「殺す事」が楽しくて仕方ない。
映画とやってる事は同じでも、この性格だと作品そのものが大きく
変わる。

 いつもの、牧野キャラのエキセントリックさが、抑え気味に出され
ていて、実に痛快です。
陰湿さがないので、素直に楽しめました。
この作品のアリスは、実に魅力的でした。

 そして、ラストシーンとその後のエピローグは、映画と違う。
ここにも牧野色が出ています。
映画以上に、アリス=「不思議の国のアリス」を意識した作品に
仕上がっている部分も楽しめました。

 読後に「残るモノ」はないけれど、エンターテイメントとして、
楽しめた作品です。
結構、面白かったです♪