こんばんは

俳句のみろく堂オッドアイ猫家登みろくです。

 

今日は西村麒麟さん「鴨」の4回目の鑑賞です。

冬・新春の季語を用いた一群の中からご紹介します。

 

 

冬ぬくしゆるびてゐたる鳥の顔

 

「冬」と「ゆるびて」と言われれば

枕草子の「春はあけぼの」に続く冬の話を思い出しますね。

 

『昼になりてぬるくゆるびもてゆけば
火桶の火も白き灰がにちになりてわろし』

 

昼になって寒さが緩んでいくと

火桶の火も白い灰ばかりになって良くない の意味です。

 

この中では、寒さが緩んでしまうと(灰が)みっともない、と言っているのですが

麒麟さんの句では

寒さがゆるむとともに

緊張感の解けたような鳥の顔が良い、と言いたいのでしょう。

 

目が細くなって、まどろんでいるような顔でしょうか。

猫や犬に、笑っているような表情を認めることができますが

麒麟さんは鳥の顔にも、表情を見つけたのですね。

 

 

舌の上にどんどん積もる風邪薬

 

すっごく面白い句で、とても好きです。

こういう絵や、ポストカードがありそう。

 

風邪薬が実際に舌の上に積み重なっているわけではないけど、

あまりにも大量に飲むのでそんな気がする。

落葉のように、雪のように。

薬の山にうんざりした感じが表れていて、上手いと思います。

詩的な表現だなあ。

 

 

猫八を聴く嬉しさよ松の内

 

猫八!!すごいところもってきた…

ちなみにwikiによると、

4代目猫八は2016年3月21日(66歳没)だそうです。

現在は、4代目が「猫八」を襲名する前の「子猫」を

4代目の長男が襲名されているようですね。

 

確かにお正月っていわゆるお笑い番組に有名な噺家さんが出てきたり

NHKで新春落語をやったりしていて、

落語協会所属の芸人さんなども多く見ますよね。

 

松の内というと関東では7日。

4代にわたって猫八の物まね芸が継がれていることに嬉しくなるし

もうちょっとお正月気分でいられることにも

ホッとしますね。

 

関係ないのですが、

先日、猫とおしゃべりできる通訳アプリをインストールして

「遊ぼうよ~」と話しかけたら

うちの猫たちはビックリして四散していきました…悲しい。

猫八なら、上手くいったかな?

 

それと、感覚的にとても、好きな句。

冬といふ文字の小さき返事かな

 

このあとはもう一年分を「春夏」「秋冬」の2回で取り上げていきます。

みろくでした黒猫