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冷酷でためらいなく嘘をつくサイコパスや他人を利用するのに躊躇がないマキャベリスト、自分は特別な存在だと思い込んでいるナルシストなど、ダークな人格特性を持つ上司が存在する会社は結構ある。
アメリカ・メリーランド大学スミス経営大学院のニック・セイベルト氏らによると、企業はそういった特性の人間をあえて昇進させている可能性があるそうだ。
ビジネスの世界では、ときに汚い手を使ってでも目的を達成しなければならない。そんな時に彼らの特性が生きてくる。これは綺麗事ではすまされない企業の裏側を象徴しているのかもしれない。
なぜ上司にダークパーソナリティを持つ人間が多いのか?
心理学において「ダークパーソナリティ」とは、倫理観の欠如、自己愛の強さ、マキャベリズム(目的のためには手段を選ばないやり方)といった悪の気質を意味している。
企業の重役にダークパーソナリティを持つ人間が多い理由を説明するために、『Journal of Business Ethics』(3月2日付)に掲載された研究では、会計を統括する幹部の採用プロセスと、その企業の収益マネジメントとの関係を調べている。
それによると、ある企業が業績を上げる必要に迫られたとき、経験豊富な幹部と採用担当者は、強い倫理観を持つ候補者よりもダークパーソナリティを持つ候補者を責任者として推薦する傾向にあるのだという。
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倫理的でないことが評価されて出世する人がいる
この研究では、3つの実験を行っている。そのうちの1つでは、実際に企業の幹部や採用担当者たちに、候補者の人をまとめる能力を評価してもらった。
するとダークパーソナリティを持つ候補者の能力の中で、そうでない候補者よりも高く評価されたのは唯一、倫理的でないことでも実行してしまう能力だけだったのだ。
重要なポジションに採用されたのだから、その人は自己PR能力や対人スキルが高かったり、あるいはいかにも頼れそうな人材だったりするのだろうと思うかもしれないが、じつはそうではないのである。
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結果至上主義、目的のためには手段を択ばず
企業が利益を拡大する必要があると感じているとき、その役割はダークパーソナリティを持つ人間に与えられる可能性が高い。
たとえ管理能力や対人スキルが優れた人材がいたとしても、その人の昇進は見送られてしまう。その結果、上司には性格の悪い人間ばかりになる。
ブラックな性格の人間は強いリーダーというイメージに当てはまる、だから副産物として上司にはひどい人間が多くなる。こんな意見もあるが、セイベルト氏に言わせれば、それは副産物でもなんでもないのだそうだ。その下についた部下はたまったもんじゃない。
ブラックな会社には近づかないこと
悪い上司の犠牲者になりたくなかったら、ブラック上司をあえて必要とする会社を避けることが一番だ。もしすでにそうした会社に就職してしまっていたら、上司たちからのサポートを期待しないこと。それがセイベルト氏からのアドバイスだ。
References:Unveiling the “Dark” Side of Business | Robert H. Smith School of Business, University of Maryland
★俺の会社は、ブラック上司やなくてパッパラパーのあほ上司じゃ!
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