昨年の田植えの時の農家の方の説明


   昨年の田植えの様子(左端が私)

【共産党、政策実現、立民反対するも賛成多数で可決】

 2年間にわたり、松戸市都市計画審議会において審議されてきた、『矢切の耕地』を含む、市街化調整区域の今後の方針が3月28日の第155回松戸市都市計画審議会で、賛成多数で都市計画決定されました。

 今回策定されたのは『都市計画マスタープラン(市街化調整区域編)』といい、市内12地区の市街化調整区域についての今後の方針を定めたものです。

 そもそもなぜ、この計画が策定されたかというと、市街化調整区域は市街化を抑制し、農地や樹林地など自然的土地利用を基本とする土地利用となっています。しかし、近年、後継者不足で耕作放棄地が増えたり、資材置き場が点在したり、また、外環道や北千葉道路などの開通や計画で開発意欲が増しているなどの理由から、市街化調整区域をどうするか検討する必要がある、という事から、この計画策定をする事になりました。


【矢切の耕地は松戸の宝物】

 2月までで8回の議論を経てまとめられた今回の案は、12地区のうち5地区で開発の方針が示されました。特に議論が集中したのは、『矢切地区』です。

矢切の耕地は120haもの広大なまとまった農地で、都市近郊でこれだけまとまった農地は周辺にはありません。松戸市にとっても近隣市にとっても貴重な農地です。農地は生産地であり、また地球温暖化防止や、保水の機能、さらには矢切の斜面林と織りなす景観は、江戸川を挟んだ葛飾区民にとっても貴重な景観であり、なくてはならないものです。


【地権者は倉庫業者と土地売買の仮契約】

 しかし今回の計画では、この矢切の耕地で、『産業的土地利用の許容』という方針を示し、開発に道を開きました。この地域は高齢化で農家も後継者がおらず、地権者である農家が物流業者と土地売買の仮契約をしている状況で、物流倉庫建設が進むのではと私は危惧しています。

 この様な事から、なんとかそれだけは阻止しようと、立憲民主党の関根委員が「矢切地区はもっと丁寧に議論すべきである。」として「矢切地区を外した形で、採決すべき。」と動議を提案しましたが、私と原さんの3名の賛成で動議は否決され、原案が採決され、3名以外の賛成で、可決されました。


【有識者は「産業には農業も入る」というが】

 採決の前の意見表明では、有識者の秋田委員(千葉大園芸学部教授)は、「産業に対する想像力を豊かにすべき。産業には農業も入る。」と。農業なら、わざわざ開発の方針を示さなくてもいいのでは?と疑問に思いました。産業と聞いて、農業と考える人はあまりいないと思います。

 また、農業といっても、農地をそのままではなく、工場的なものとか、直売所とか、そういうものであり、純粋な農地の保全では無いと思います。

 私や、多くの市民は農地を農地のまま保全してほしいと願って様々活動してきました。


【農業委員会会長も「農家は土地を売りたい」と】

 しかしながら、農家の代表である農業委員会会長は、農家の高齢化などで農業は続けられず、高く売れるなら売りたいんだ、とか「みどりを守るだけでは農業は出来ない」と保全には否定的で、とにかく開発へと駒を進めたいという意見でした。

 農家で食べていけないとか、後継者がいないとか、これは農家だけの責任ではなく、結局は国の農政の無策によって引き起こされた結果であり、本来であれば国が農地を守り農業を守る政策をうつべきです。しかし、今の自民党政権は農業を守るという姿勢がなく、農家も農地も減り続けています。


【今後は『地区計画のガイドライン』が鍵】

 しかし、結局開発を進める方針が決定してしまいましたので、今後は、どの様な開発になるのか、出来る限り自然的な土地利用になる様に、意見を上げていきたいと思います。

 基本的には市街化調整区域の開発は市街化が原則ですが、浸水想定地域である矢切地区は市街化はできません。したがって市は、『地区計画』という開発手法を使う予定です。今後はこの『地区計画』が鍵になります。

 市は『地区計画のガイドライン』を策定する予定ですので、まずはそこにどれだけ規制をかけられるか、が一つのポイントだと思います。


【地区計画にも市民の声を】

 地区計画を出せるのは事業者と地権者だけです。ですから、その計画策定の際のルール作りにはできるだけ市や都市計画審議会でかかわり、都市計画としての公共性を担保するべきだと思います。

 本来『地区計画』は、良好な住環境のための厳しい規制でしたが、それが逆に掘り崩されていると感じます。

 今後は地区計画のガイドラインにどれだけ市民の思いを入れられるかに注力していきたいと思います。皆さんもぜひご意見をお寄せください。お待ちしています。これらについては、『矢切の耕地を未来へつなぐ会』で考えています。みなさんもぜひこの会にもご参加ください。


◯松戸市都市計画審議会委員

  ミール計恵(日本共産党松戸市議)

  090-4810-4828 

  mirkazue01@gmail.com


◯『田植え体験会』のご案内

  5月4日(土)

      10時坂川親水公園集合、

      大人¥1000.子ども¥600.幼児¥200

・汚れてもいい格好で、古い靴下2枚を履いて田んぼにはいります。

・タオル、飲み物、帽子、軍手持参でご参加下さい。

お申し込み(ミールまで)よろしくお願いいたします😃✌️