「告白」から始まり、湊かなえ先生の作品はけっこう読んでいます。


原作も面白いけれど(イヤミス作品を面白いという表現はおかしいかもしれないけれど)映像化されたものを見ると、より視覚的に分かって、それはそれで面白いので、私は好きです。


なので、この話も、映像化されるとどのような感じになるのか、ドラマ化映画化の話はなくても期待してしまいます。



湊かなえ先生の作品のすごいところは、1人が喋ってるだけなのに、状況や背景が想像できるところです。

説明書きが全くなくても伝わるという、文章力がないとできない高度な表現だといつも感心します。


今回も、点と点が最後に線になり、イヤミスではなかったけれど、後悔は感じる作品でした。

誰かが1つでも違う行動をしたら、別の人に話してみたら、少女が自殺することはなかったのではないか。

そもそも誰が悪いわけでもない、直接的原因があるわけでもない、だから後味悪いです。


美容整形というから、顔を変える話かと思いきや、デブの話でした。

(話の中で、デブと表現されているので、デブと言います)

どうしても、デブ=悪、自己管理ができていない

というイメージだけれども、

今回、少女は痩せなかったら自殺する原因は存在しなかったという。

カケラを埋めるのは、痩せるという行為ではなかった。


この話は、よくドーナツが登場しますが、ドーナツの真ん中をうめたころで、完全形になるわけではないし、

そもそもカケラがあっても、無理にうめる必要はないのだと思う。