これから語る事は、実際にあった事だという。
2010年7月8日の事である。
群馬県前橋市にある敷島公園野球場は、大改修を終えて、リニューアルセレモニーが行われた。
これに合わせ、槇原寛美(元巨人の名投手。野球評論家)、黒木知宏(元ロッテのエース。野球評論家)の野球教室が、開かれた。
この野球教室に、当時9歳だった井上温大も参加した。
井上少年の実家は、地元、つまり前橋にある。
井上少年のキャッチボールを見た槇原は、(良い投げ方をしている)と感心した。
そして、井上少年の家族に、「この子は、巨人にもらいます」と声をかけた。
いくら筋が良いと言っても、まだ9歳だ。
槇原は、リップサービスのつもりで、言ったのだ。
誉められた井上少年の家族の側も、「ジャイアンツに、入れるってよ。本当になればいいな」と笑い合ったという。
槇原の言った事を、本気にしていなかった。
それから数年後、井上温大は、前橋商業のエースとなった。
そして、2019年のドラフトでは、巨人に4位で指名され入団した。
井上は、昨日、敷島公園野球場で開催された中日ドラゴンズ戦で先発した。
そして、勝利した。
この試合を観戦した井上の父親は、「まさか息子が本当に巨人に入団して、しかも、ここで先発するなんて・・・」と、感慨無量だった、という。
槇原は軽い気持ちで、「この子は、巨人にもらいます」と声をかけたのだが、それが、現実になったのが、面白い。
しかも井上は、ああ言われた場所で投げて、勝ち投手になった。
これは、たんなる偶然なのか?それとも、槇原には予知能力でもあるのか?笑