私が住む埼玉南部は、既に河津桜が咲いている。
少したてば、ソメイヨシノも咲く。
ソメイヨシノは、毎年多くの花見客を集める。
桜は、満開の時も良いが、散る時も良い。
桜吹雪には、美学のようなものが感じられる。
桜は意思をもたない。
それなのに(美しく散りたい)と思っているように、私には見える。
歌舞伎の大御所・尾上菊五郎は、源義経が国民に人気になり続けてきた理由を、こう分析している。
「活躍期間が短かった。しかも、派手に活躍した。ぱっと咲いて、ぱっと散る。これが、まるで桜のようで、日本人の気質に合う」
日本人は、潔さを好むところがある。
そんな気質に、桜も義経も合うのだろう。