セイラム市の海
これから語る事は、実話である。
1974年の事。
アメリカ・マサチューセッツ州セイラム市にある海水浴場で、13歳のロジャー・ロジエ君が、海水浴を楽しんでいた。
すると、
「きゃー、助けてえ。誰か来てー!」
という女性の叫び声がした。
その女性とは、アリスさんだった。
アリスさんは、夫が海で溺れたので、人に助けを求めたのだ。
泳ぎが得意なロジャー君は、救命用のボートを掴みながら、溺れているアリスさんの夫のもとへ急行。
アリスさんの夫を救助し、ボートへ乗せた。
やがて、救助船に乗った救助隊員達が来て、めでたし、めでたし。
ロジャー君はその後、州の慈善団体から表彰された。
この席で、何とも奇遇な事が判明した。
1965年、まだ4歳と幼かったロジャー君は、同じ海水浴場で溺れてしまったのだ。
その時、助けてくれたのは、アリスさんだったのである。