日本の珍スポット268 鯨の骨で作られた「雪鯨橋」 | 話のコレクション

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 大阪府の東淀川区。
 
 ここには、歴史好き、好事家にとって、穴場のスポットがある。
 穴場のスポットとは、瑞光寺という寺である。
 
 なぜ、穴場なのかと言うと、この寺には、鯨の骨でできた非常に珍しい橋があるのだ。
 
 その橋が、作られた顛末は、こんな具合である。
 
 宝暦6年(1756年)の事である。
 瑞光寺の住職が、紀伊の国(現在の和歌山県)の太地を訪れた。
 
 丁度その頃、鯨が不漁で、漁師たちは困っていた。
 村長が、住職に、豊漁祈願を頼んだ。
 
 住職は、一旦、
 「私も、坊主の端くれ。殺生は五戒の一つ。それは承れません」
と断った。
 
 しかし、不漁で困っている漁民を見かねて、重い腰をあげた。
 住職の豊漁祈願が効いたか、鯨が一夜にして、たくさん獲れた。
 
 喜んだ漁民が「お礼です」と、お金と、鯨の骨をくれた。
 
 瑞光寺に戻った住職は、橋板から欄干まで、全てが鯨の骨でできた「雪鯨橋」を作った。
 
 この橋が、「雪鯨橋」と名付けられたのは、雪のように白かったからだ。
 
 「雪鯨橋」は、今も瑞光寺に現存しているが、もう6代目になった。
 橋板は、石にかわったが、欄干の方は、鯨の骨のままである。
 
 シーシェパードは、この橋の事を知ったら、どう思うだろうか?
 
 さすがに、壊そうとはしないだろうけど、
 「日本の残酷な捕鯨文化の象徴だ。鯨の骨が宗教施設にまであるなんて、あきれたね」
とかなんとか批判しそうである。
 
 シーシェパードは永遠に、この寺を知らぬ方がいいだろう。
 
 
 瑞光寺
 住所 大阪府東淀川区瑞光2-2-2
 ●アクセス 阪急京都線上新庄駅から、徒歩7分