「猫舌」という言葉がある。
これの意味は、「熱いものを飲み食いするのができない舌」「熱いものを飲み食いするのが苦手な舌の人」などである。
よく、「●●さんは、猫舌だなー」なんて言ったりする。
ところで、言葉の元になった「猫」は、実際に猫舌である。
飼い主が好物を温めて、においを漂わせれば、猫はノコノコやってくる。
だが、熱い間は、食べようとしない。
冷めるのをじっと待ち、十分に温度が下がったと見るや、待ってました、と食べ始める。
猫舌なのは、猫ばかりではない。
動物は、人間をのぞけば、みんな猫舌である。
人気のある動物の筆頭格ジャイアントパンダは、笹を食べる。
コアラは、ユーカリを食べる。
象は、果物、草を食べる。
ジャイアントパンダ、コアラ、象が食べる物は、加熱されてない。
草食獣は、温度の低い物を、好んで食べている。
ライオン、虎、ヒョウは、草食動物を狩る。
そして、これの生肉を食べる。
海に生きるイルカ、クジラは、当然熱した物は、食べない。
動物は、なぜ猫舌なのかというと、自然界には、温めた食物が存在しないから。
ライオン、虎が狩る草食動物だって、体温はあるが、加熱されていない。
火を使い食べ物を、焼いたり、煮たりして食べる・・・これをするのは、人間だけだ。
ようするに、猫はこの世に登場して以後、温めた物は食べなかったのだ。
これが、子孫にも脈々と受け継がれてきたから、「猫舌」なのである。
この雑学は、簡単といえば簡単なのだが、
「猫が、猫舌なのは、どうしてだと思う?」
なんて、他人から尋ねられても、案外答えられないものだ。
つい、難しく考えてしまいがちだから。
人は、(深い理由があるのかな?)と、ふと思ってしまったりする。