幻に終えたパンダ年 | 話のコレクション

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食べ歩き、旅行、散歩を中心に記事にします。が、それらに行けぬ時は、古今東西の興味深い話を記事にします。

 
 
 今年(2024年)、わが日本は、辰年である。
 
 各国の干支は、すべて同じだという事はない。
 例えば、東南アジアには、「猫年」がある国もあるが、ご承知の通り、我が国には、これはない。
 
 本題に入ると、1970年代、中国は、
 「パンダ年を作ろう」
と、宣言した事があったという。
 
 辰年の龍は、実際にいる生きものじゃないから、非科学的だ。
 それで、「龍にかわり、この世に実際にいるジャイアントパンダを干支に入れよう」と、中国政府は考えた。
 
 この頃、中国は、折しも文化大革命の真っ最中で、
 「封建的思想や、旧思想、旧習慣を覆そう」
と、叫ばれていた。
 
 その一環として、
 「干支に、龍のかわりに、ジャイアントパンダを入れよう」
という発想が、生まれたらしい。
 
 その後、文化大革命は、毛沢東が亡くなったりして終息する。
 
 そして、ジャイアントパンダを干支に入れよう、という話は、いつの間にか、なくなった。
 
 「パンダ外交」という言葉もある通り、中国は、ジャイアントパンダをしばしば政治に使いたがる。
 例えば、パンダを貸し出して、相手国との友好を高めたりする。
 
 これは文化大革命の頃も、現在も同じである。
 まぁ、ジャイアントパンダ自身には、罪はないけれど。
 
 ジャイアントパンダで思い出したけど、「熊年」というのも、ありそうでないですな。
 熊は、日本では、昔からなじみの動物だったはずだが。
 
 ※この記事の画像は、私が上野動物園で撮影したジャイアントパンダ