小川糸「キラキラ共和国」 | 虹がでたなら

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小川糸「キラキラ共和国」

「ツバキ文具店」の続編です。
鎌倉で文具店を営みながら、代書の仕事をしている鳩子。
ミツローさんと結婚し、QPちゃんの母親となった鳩子は、QPちゃんの母となれたことの幸せを感じ、QPちゃんを産んで亡くなった美雪さんに感謝をしながら穏やかな日々を過ごす。
そして、相変わらず様々な代書の依頼が舞い込む…。

目の見えないタカヒコくんが、母の日に手紙を書こうとするエピソードは、涙、涙…。
「おかさんが、僕のおかあさんで、よかった」って書きたいというタカヒコくん。
なんて素敵なんだろう。

QPちゃんとのお料理作りのシーンもほのぼの。
なんて温かい家族。

この本を読みながら、何度涙が出たか分からない…。
大切な人と過ごす優しい時間。
大切に思う人がいる幸せ。
それを表現する鳩子の豊かな言葉…。
一言一言を味わいながら、言葉の余韻に浸りながら読んだ小説でした。