宮部みゆき「R.P.G」 | 虹がでたなら

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宮部みゆき「R.P.G」

建築中の住宅内で、所田良介という中年男性が殺害される。
その3日前に絞殺されていたカラオケ店のアルバイト従業員今井直子との関係が明らかになる。
遺留品に共通点があり、痴情のもつれとして容疑者があげられる。
が、所田に、ネット上の疑似家族が存在することが明らかになる。
警察は、その疑似家族を集め、尋問する。
そしてその様子を実の娘が隣の部屋からうかがう…。

R.P.G…。
所田がネット上で作り上げていた疑似家族を表していると同時に、取り調べの場面の仕掛けがロールプレイであることが明らかになっていく…。

虚構のなかに安らぎを求める寂しさ。
役割を演じるなかで思いがけず本音が現れる不思議さ。
本物のなかに本当の自分を表現できない切なさ。
…なんてことを感じました。
私もこのブログのなかでは、本当の自分ではないけれど本音ではある。