「エゴイスト」 | 虹がでたなら

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「エゴイスト」
鈴木亮平さん演じる浩輔は、ファッション誌の編集者。
お洒落で贅沢な部屋に暮らす。
宮沢氷魚さん演じる龍太は、シングルマザーの母を支えながら暮らすパーソナルトレーナー。
トレーナーとして浩輔と出会い、2人でトレーニングをしているうちに、惹かれ合っていく。
…が、幸せに満たされていた2人に悲劇が…。

影像が独特な感じ。
2人の生活を隣で見ているような、ドキュメンタリーのような雰囲気。
浩輔と、ゲイの仲間たちとの飲み会での会話なんか、ほんと、自然なのです。
その仲間の一人に、何度かダンスを観に行ったことのある、ダンサーのYOHさんが出演されていました。

映画の前半は、男性同士が愛し合うシーンが続き、刺激的なのですが、氷魚さんの透明感あふれる爽やかな美しさが際立っていて、いやらしくないのです。
氷魚さん演じる龍太の無邪気で純粋な笑顔が本当にチャーミングです。
後半は、こんなことあるの?…と思ってしまうような展開でしたが、これは原作者の高山真さんの自伝とのことなので、驚きです。

映画のタイトルは「エゴイスト」。
登場人物のせりふの中にも、自分のわがまま…という言葉が何度も出てきます。
が、行為の理由は自分のためであっても、行為の目指すところは相手の幸せであって、それぞれの深い愛を感じます。

大切に思える人に出会えたのなら、男でも女でも関係ない…と、さらりと言う、龍太のお母さん(阿川佐和子さん)が素敵でした。