「ラーゲリより愛を込めて」

辺見じゅんさんの原作「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」を読んだのが先だったか、香月泰男さんのシベリアシリーズの絵を観たのが先だったかは思い出せないのだけれど、シベリア抑留の事実を知ったときは衝撃を受けました。
こんな過酷な現実があったということに、胸が痛みました。

第二次世界大戦後のシベリア。
多くの日本兵が捕虜として強制収容所(ラーゲリ)に捕らえられ、強制労働を強いられる。
零下40度を超える極寒のシベリアでは、仲間が次々と亡くなっていく。
そんな中、二宮和也さん演じる山本は、日本にいる妻(北川景子さん)と子どもに再会する…という約束を胸に、常に希望を失わずに耐える。
仲間を励まし、亡くなった仲間を悼み、若者に字や学問を教える。
そんな山本の姿は、周りの仲間にも希望を抱かせる。
8年たってやっと家族に手紙を書くことができ、自分が生きていることを伝えられた。
そして妻からも手紙が届く。
が、山本の体は病に侵され、山本は最後の力を振り絞って家族への遺書を書く。
遺書は没収されてしまうが、山本の気持ちを届けるべく、仲間が奇跡を起こす…。
同じ日本人同士でありながら階級を振りかざす人がいたり、自分が助かるために仲間を陥れる人がいたり、極限状態で現れてしまう醜さも描かれ、つらいシーンもたくさんあるけれど、そんななかでも希望や優しさを忘れずにいる人がいる…ということに胸を打たれる。
そして強い信念や希望は、周りの人たちも照らす…ということを感じさせてくれる。
環境や立場は全く違うし、ぬくぬくとした世界で生きているけれど、何かに対して、誰かに対して、こんなふうに強い想い、ひたむきさがもてたらいいな。
エンドロールに流れるMrs. GREEN APPLEの歌が、メロディも歌声も本当に美しくて心に沁みました。
ついついMrs. GREEN APPLEのライブDVDを買ってしまった。
