荻原浩「海の見える理髪店」 | 虹がでたなら

虹がでたなら

わくわく・どきどき・しみじみ…なものたち

荻原浩「海の見える理髪店」
短編集ですが、どの物語を読んでも、切なさがずっと胸に漂うものばかり。
その中にも温もりや希望があって、本当に素敵な本でした。

帯に書かれた言葉が秀逸です。
「誰の人生にも必ず訪れる、喪失の痛みとその先に灯る小さな光が胸に沁みる家族小説集。」
「母と娘、夫と妻、父と息子。近くて遠く、永遠のようで儚い家族の日々を描く物語六編。」
「伝えられなかった言葉。忘れられない後悔。もしもあの時に戻ることができたら…。」
これらの言葉が全てを表してくれている…。

子どもの頃、家族が亡くなってしまったらどうしよう…と想像しては泣いていた…。
永遠なんてない。
離れて暮らすようになって、もうあと何日会えるのだろう…と考えると愕然とする。
学生の頃は、近すぎてぶつかることだってもちろんあったけれど、今はもう、残された日を無駄にしないようにしたい。
…と、改めて思いました。