「天国はまだ遠く」 | 虹がでたなら

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瀬尾まいこ「天国はまだ遠く」。

仕事も人間関係もうまくいかなくて、疲れ果てた千鶴は、会社を辞めて死ぬことを決意した。
死ぬための、北の寂しい場所を目指して電車に乗り、タクシーでどんどん奥まで行ってもらい、辿り着いた山奥の民宿たむら。そこで大量の睡眠薬を飲んだのだけれど、死に切れなかった。
睡眠薬はもうないし、死ぬことの怖さを知ってしまったから、もう死にたいとも思えず、民宿たむらでのんびりと日々を過ごす。
民宿の主人である田村という年上の男性が作ってくれるご飯を食べて、村を散歩して、夜は早くに寝てしまう毎日。
田村のちょっとがさつだけれど、正直で優しいところに少しずつ癒されていく。
のんびりとした村の人たちや大自然に囲まれて、ゆったりとした日々を送る中で、満足しながらも、千鶴は自分の居場所がここにないことに気づいてしまう…。

田舎ののんびりとした風景が目に浮かび、千鶴と一緒に、散歩したり、田村さんの作る素朴なお料理を食べたりしているような気分になります。
優しく穏やかな気持ちに満たされます。
千鶴は一旦もとの町に戻るけれど、いつかきっと田村さんのところに帰ってくると思いたい…。

なんと映画化されていることが分かりました。

千鶴は加藤ローザさん、田村は徳井義実さん。
私のイメージの田村さんは、徳井さんでは線が細すぎるような…。
もっとワイルドでおおざっぱな感じ。

さっそくDVDを借りて観てみたい!