
辛く重い映画です。
江戸時代、長崎でのキリシタン弾圧の物語。
厳しい弾圧を受けながらも、秘かに信仰を続ける人々。
日本にキリスト教を広めたいとポルトガルから渡ってきた神父。
厳しい拷問を受けて棄教を迫られ、残酷に殺されていく村人たち。
何もできない自分、沈黙する神に苦しみ、「転ぶ」ことしかなかった神父。
なぜこれほどまでにキリスト教を迫害し、残忍な行為をしたのか。
これが日本で実際にあったことなのが悲しい。
そして、それほどまでに虐げられながらも、なぜ神を信じ続けることができたのか。
その先の天国を信じていたのか。
信仰心のない私には、これほどの神への思いは共感できない。
ただ、すごい、と意思の強さを尊敬するだけ。
高校・大学時代、遠藤周作さんの小説が大好きで、片っ端から読んでいました。
授業中も、机の中にかくして読んでた。
そしてこの「沈黙」など、長崎のキリシタンの物語に心を揺さぶられ、大学時代、長崎周辺をひとり旅しました。
物語に出てきた教会や、雲仙や天草を巡りました。
この映画を観て、その時の私の認識は甘かったことを感じました。
どれほど凄惨な弾圧だったのか…。
これほどまでに人を強くする信仰とはなんだろう…。
改めて考えています。