「怒り」 | 虹がでたなら

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一気読み。

決して後味のいい物語ではないし、幸せな気持ちになれるタイプの本ではないけれど、のめり込んでしまいます。

夫婦が惨殺される事件が起こり、現場には「怒」という文字が残される。
犯人は山神という男であることが判明するけれど、その山神が見つけられないまま1年…。

千葉、東京、沖縄で、それぞれ得体の知れない男が現れる。
過去を隠しながらもそれぞれの場所で居場所を見つけ、支え合えるような人に出会う。
けれどもはっきりとはしない過去から疑いが芽生え、山神ではないか?…との不安が生じて…。

打ち明けることのできない過去を秘めた人…。
信じてほしいという気持ちと、相手の、信じたいという願い。
相手を思うがゆえに逃げたり、信じたいからこそ疑ったり、信じたから真実に傷ついたり…。
まわりの家族も含め、それぞれの愛や友情の形が悲しい…。

過去にとらわれてしまい苦しむのは、隠している方かも…。

既に映画化が発表されているとのことで、配役を調べてみました。

山神?…と疑いを抱かれる3人に扮するのは、森山未來さん、松山ケンイチさん、綾野剛さん。
はまり役すぎてびっくり!

人懐こさの裏に残忍性を秘めた田中を演じるのが森山未來さんって、もう、イメージが浮かぶ!
森山さんのための役みたい。

その他の役も、ぴったりで豪華な役者人!
愛子役の宮崎あおいさんはちょっと可愛すぎてイメージに合わないけれど…。
もっとぽっちゃりして、さえない見た目で、頭は良くないけれど、無邪気な愛を秘めている…という印象の愛子。
宮崎さんが演技力でこの愛子になるのか、映画独自の愛子になるのか?

物語の登場人物がひとりひとり強烈な存在感なので、それをこの豪華な役者さんたちが演じたらどれだけ深い世界になるのか…。
映画を観るのが楽しみです。