ふれて感じる絵 | 虹がでたなら

虹がでたなら

わくわく・どきどき・しみじみ…なものたち

日本点字図書館で作成している美しい本。
「ふれる世界の名画集」。
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「真珠の耳飾りの少女」「落ち穂拾い」「笛吹く少年」「叫び」…など、西洋美術の代表的な作品を取り上げ、目の見えない人たちが、さわって絵を感じ取れるように作成されています。

そして作者の基本的な情報、絵に描かれているものなどが、点字で説明されています。
絵を、立体的に表した…というところも素敵ですが…、解説がまた素晴らしいのです。

絵の中の人物の様子、表情やポーズ、服装。
背景の様子、色、時間帯。
絵の様子がイメージできるよう、簡潔に、かつ豊かな表現で表されています。

文章を読んで、目を閉じて絵にふれ、ふれては文章を読み、なるほど~~と、楽しくて仕方ありません。

この絵は、上の部分しか固定されていないので、裏からふれることもできるのです。

モナ・リザはこんな感じ。
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ゴッホの「ひまわり」はこう。
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ひまわりの解説を読むと…、
「花も背景も何もかもが燃え立つ 目のくらむような黄色でぬられた絵」
「ひまわりの数は15本 どれも思い思いの方向を向き、蠢くように茎を伸ばしている」
「花々のすきまには、揺らめく炎に似た形をしたがくが匂い立つような緑色をのぞかせている」

ひととき絵を忘れて、ことばから生まれるイメージを楽しみながら読むのも楽しいです。

目の見えない人にとって、色や形の理解は様々かもしれないけれど、絵をふれて感じる…、ふれた感触とことばからイメージを広げる…、そんな体験って、きっとワクワクするのでは?

これは第1巻なので、続編が楽しみです。