「走ることについて語るときに僕の語ること」 | 虹がでたなら

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わくわく・どきどき・しみじみ…なものたち

村上春樹さんの小説は好きで、たいてい読んでいましたが、村上さんが走る人だとは知らなかった!?
しかも半端ではない。
何度もフルマラソンを走って、トライアスロンにもチャレンジして。

そんな村上さんが走ることについて書いたエッセイです。

本のあちこちに散らばることばが、すっと、じんわりと、あるいはずきんと、心にしみ入ってきます。

「走っているあいだは誰とも話さなくてもいいし、誰の話をきかなくてもいい。
ただまわりの風景を眺め、自分自身を見つめていればいいのだ。
それはなにものにも換えがたい貴重なひとときだった。」

わかります。
ただ自分と向き合える時間。
走っている間、自転車に乗っている間、私の頭は妄想が絶好調。
楽しく幸せな想像だったり、時に振り返りだったり。
すごく集中できるので、新しいアイディアがわいてくることもある。

「苦しいからこそ、その苦しさを通過していくことをあえて求めるからこそ、自分が生きているというたしかな実感を、少なくともその一端を、僕らはその過程に見いだすことができるのだ。」

たとえば思い出を振り返ると、ただ単に楽しかったことよりも、苦しくてきつくて…でもそれをやり遂げた充実感の方が深く心に残っています。
友達との出来事も、一つの目標に向かって一緒に頑張ったこととか。

苦しい、という思いが生きていることを実感させてくれる…だから自転車の坂も癖になる!?

「僕にとって あるいは他の誰にとってもおそらくそうなのだろうが 年を取るのはこれが生まれて初めての体験だし、そこで味わっている感情も、やはり初めて味わう感情なのだ。」

確実に年を取っていく自分。
自信をなくす部分もある。…お肌のハリとか!?

もうできないんじゃないか…と、あきらめてしまいそうになることもあるけれど、
今「できない」と思ってしまったら、おそらくもう二度とできない。

できるかも?…と少しでも思えるうちは、やってみた方がいい…。
やらなかったことを後悔したくないから。

…と、決意を固めた私…。
あがき中。