憧れの宮城県美術館へ | 虹がでたなら

虹がでたなら

わくわく・どきどき・しみじみ…なものたち

絵と画家に関するエッセイ、「気まぐれ美術館」シリーズを書いた、大好きな洲之内徹さん。
才能と個性と信念を持つ絵描きの方々を見出し、支えた洲之内さん。

そのコレクションが展示されている宮城県美術館に、ずっと行ってみたかったのですが、やっとそれがかないました。

気まぐれ美術館に登場する方々の作品には、命と人を感じます。
その人の生き方そのものが表現されたような。

コレクションのうち、展示されていたのは20点ですが、それでも、「気まぐれ美術館」を代表するような、画家、絵ばかり。
「うわっ!!」…の連続です。

洲之内さんと親しかった松田正平さん。
虹がでたなら-2011080714090001.jpg
素朴な人柄が浮かびます。

松本竣介さんの「白い建物」。
虹がでたなら-2011080714040000.jpg
空と、壁に見られる水色が、何とも深く、そして清らかで優しい色でした。
松本竣介さんの青や緑は、他にない、淋しさと温かさが共存する色です。

さらに松本竣介さんの「ニコライ堂」。
虹がでたなら-2011080714080001.jpg
このタイプの絵には、いつも小さな人物が黒く描かれているのですが、これには見つかりませんでした。
…が、いつもの…哀愁が漂うニコライ堂。

鳥海青児さんの「うずら」。
虹がでたなら-2011080714080000.jpg
家に飾りたい、とは思えないけど?、洲之内さんがどうしても欲しかったのはわかる…、目が吸い寄せられる絵です…。

長谷川りん二郎さんの「猫」。
虹がでたなら-2011080714090000.jpg
ゆっくりゆっくり少しずつ描いて、結局右のヒゲが描き終わらなかった絵です。

ハガキも図録にもなかったので、絵は載せられませんが、広幡憲さんの「ミルク」。
ピンクと紫を主にしたほのぼのした雰囲気の絵…。
可愛い…。
でも、広幡さんの絵にしては明るい…。

右下にはHARUE・KOGAとサイン。
洲之内さんのエッセイの中では、古賀春江さんの絵として紹介されています。
その後、研究の結果、広幡憲さんの作品だと判明したそうです。

どういういきさつが!?
知りたいです…。

そして何と言っても!
海老原喜之助さんの「ポアソニエール」です。
虹がでたなら-2011080714050000.jpg
洲之内さんの本の中で、「青くすーっとした絵」と表現された絵。
洲之内さんがどうしても欲しかった絵。

魚の青。
服の青。
緑がかったその青は、神秘的です。
そして、控え目ながらもひたむきな雰囲気を感じる瞳。
しなやかに生きている、そんな印象の女性です。

一枚の絵が、生きる支えになることがある。
…ということを教えてくれた絵です。

洲之内さんと画家の方々とのやり取り、本に出てくるいろいろなエピソードが目に浮かび…、
私はどれだけ洲之内さんが好きなんだ!?…と、しみじみ考えたのでした。