
この桜の場所は秘密。
毎年、
こっそり、
ひとりで愛でています。
誰にも教えません。
この桜を見る時は、人にも会いたくないので、
朝早く、か、夜遅く、
忍ぶように行きます。
いいな、と感じた物は、人にも伝えたい私ですが、
心の奥まで響いて、深く深く私を揺さぶるようなものは、
人には教えたくないのです。
その響きを、自分の心の中で何度もこだまのように繰り返させ、じっくり味わうのです。
ケチ、と言われても。
本当に大切なものは、心の中にそっとしまって、温めます。
もしも。
人として、心に響く人が現れたら、
そして心の響きを分かち合いたいと思ったら、
その時はこっそり、この桜の場所を打ち明けます。