
ロシアのアニメーション作家ユーリー・ノルシュテインと、その美術監督フランチェスカ・ヤールブソワ夫妻の展覧会です。
展覧会のタイトルにもなっている「話の話」は、ノルシュテインの経験や思い出に基づくアニメーション映画で、国際アンケートによって、「歴史上、世界最高のアニメーション」に選ばれたそうです。
ロシアのみならず、世界を代表するアニメーション作家だそうです

「話の話」に出てくる灰色狼。

可愛い表情の中にもどこか寂しさが。
「話の話」の中には、戦争と平和、生と死といった内容も扱われています。
ノルシュテイン…、「映像の詩人」と呼ばれているそうですが、扱う題材は、動物が主人公の民話、戦争、レーニン、そして松尾芭蕉!まで、とても幅広く、ヤールブソワが描く画風もそれに応じて様々な雰囲気を作り出しています。
「外套」という、セピア色のもの悲しい雰囲気の作品、
「キツネとウサギ」「霧の中のハリネズミ」など動物を扱ったほのぼのした作品、
「風の中を歩む芭蕉」というおどけた雰囲気の作品。
「風の中を歩む芭蕉」は、絵と一緒に実際のアニメが見られましたが、登場人物の「竹斎」の行動がとてもユーモラスです。
聴診器で木の音を聞き、枯れ葉を蹴ったり頭からかぶったりして音と感触を楽しみ…。
実際は音はないのですが、聞こえてくるようでした。
私は時間がなくて見られなかったのですが、一日交替でプログラムを入れ替えて、アニメーション作品の上映もしているようです。
このアニメーションは、マルチプレーンという多層のガラス板に切り絵を配置する手法で作られているそうです。
例えば顔の表情は、たくさんのパターンの目・鼻・口などがあり、福笑いのように組み合わせて動きを作っていました。
このマルチプレーンを展覧会用に再現したマケットが展示されていて、奥行きのある作品を味わうこともできました。
私は、民話を扱った作品に惹かれました。
動物たちの表情が、とても可愛らしいのです。
「霧の中のハリネズミ」

霧の中を走る馬を見て「おぼれないのかな?」と心配し、
仲良しのくまと星を数えて楽しむハリネズミ。
一つ一つの出来事にさまざまな反応を見せるハリネズミがとても愛らしいです。
なんと、ぬいぐるみまで販売していました。
「キツネとウサギ」

キツネに家を奪われたウサギ。
様々な動物たちがウサギのためにキツネと戦います。
ウサギのこのとぼけた顔が本当に可愛かったですよ。
どんな場面でもこの顔なのです。
見ていてつい口元がゆるんでしまうようなおとぼけ顔です。
そしていじわるなキツネ。

キツネって、日本だけではなく、他の国でもなんだか意地悪な役回りなのでしょうか?
なぜ???