「悪人」 | 虹がでたなら

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吉田修一さんの小説が好きです。
特に「パレード」は、何回読んでも、うわっ!!…です。

「悪人」も、のめり込みました。

妻夫木くんが?って知った時は、ちょっと意外な感じが…。
でも、大河ドラマであれだけ泣かせてくれた妻夫木くんですからね!
さすがです。
最初のアップで、もう妻夫木くんってことは忘れました!

そして、約束していた女の子に振られた時の表情…!怖かったです。
すごい…、いろんな負の感情が混ざりあった、人の暗い面を、一瞬の表情で表していました。
怖いもの見たさで、またあの顔を見たい…。

「生きているか死んでいるかわからない」…、そんな彼の気持ち、
逃げる2人だけでなく、それぞれの人の、寂しさや孤独…
見ていて痛いようです…。

ところどころに、救われる場面はありましたが…。

私が考える「悪人」は、人の痛みがわからない人…相手の気持ちを思いやろうとしない人です。

彼女に出会うまでの彼は、そういう面がありました。でも、彼女と出会ったことで、相手の痛みに気づき…、最後の穏やかで柔らかな表情は、胸に響きましたよ…。
「生きている」顔でした。
あの表情も、何度でも見たい…。

相手が幸せなら、自分も幸せだと思えるような、大切な人がいるか?
…というセリフが、ずんっときました…。