基礎コンクリートの劣化-外周部のひび割れ(クラック) | 住まいの専属検査員ブログ

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今日は家の要、基礎コンクリートの診断の話。


中古住宅を買うとなったら、ほとんどの方が現地見学をすると思います。
そのとき可能であれば、時間に少し余裕を持たせて行き、
家の状態を「品質・性能」という視点で見てください。


中古住宅や建売住宅のように既に建っている住宅を
業界的に既存住宅と呼ぶことが一般的になりつつありますが、
この既存住宅、目視でもまだまだ判断できる箇所がたくさんあるんですよ。


今日は基礎コンクリートのチェックポイントをご紹介します。


まず、外周部の立上り部分(垂直に立上がっている部分)を見ながら
ぐるりと一周します。


そのときに基礎コンクリートのひび割れの有無に注意してください。
基礎コンクリートのひび割れ

国土交通省が策定した「既存住宅インスペクション・ガイドライン」では、

 「幅 0.5mm以上のひび割れ又は深さ 20mm以上の欠損」

がないかを調べるとなっています。
ひとつの目安に過ぎないが、この数値を越えるひび割れが見つかった場合は、
スグに契約をしないで、第三者判断のできる建築士に相談されるとよいでしょう。


当事務所に基礎コンクリートのひび割れの件で、
ご相談があった場合の回答としては、


 「幅0.3mm以上のひび割れには注意が必要」


とお答えしています。
少しシビアにひび割れのことを判断しています。


その理由は、そのひび割れがそれ以上の動きがないかどうかを
見極める必要があると考えているからです。


というのも、たまたま購入時点ではひび割れ幅が小さかったけど、
まだ進行中であるという可能性を否定できないためです。


購入された場合でも、0.3mm以上あるひび割れに関しては定期的に
計っていくことをおススメしています。


次に、ひび割れ深さに関してはガイドラインで20mm以上かどうかで
線引きをしていますが、


特に注意して確認してもらいたいことは、
「貫通クラック」と言って外周面から内部までひび割れが
貫通しているものです。


この貫通クラックは構造的要因によるひび割れの可能性が高く、
その後の専門家による詳細調査が必要になることがあります。


見つかったら、慌てて買うことは避けた方がよいでしょう。


現地見学には、簡単な道具を持っていくと便利ですよ。
メジャー程度は持っていかれる方はいらっしゃいますが、
その他に、ひび割れ幅の数値測定用として「クラックスケール」というものを
ご用意すると便利です。
ホームセンターで300円程度で売っています。


また、深さの数値測定にはひび割れに差し込めるように
ピアノ線のような細いものやテレフォンカードを5mm幅くらいに切ったものを
ご用意するといいと思います。


あとは、懐中電灯、デジタルカメラ等があればよいでしょう。


今回は、基礎コンクリートの外周面について書きました。
内部についてはまた違ったチェックポイントがありますので、
近いうちにお伝えします。