けれども、冬ならではの楽しみもあります。
私にとっての、その一つは、古利根川にやって来るユリカモメ達です。
今年は暖冬のせいか、あまり姿を見ることができません。
「今日も、来てない。」
「今日も、少ししか来てない。」
通るたびに、寂しく感じていました。
ある日、久々に、たくさんのユリカモメの姿を見ることができました。
この日は天気も良く、他にも見ている人が、何人かいました。
「きてないね。」
「今年はね。でも、今日はいっぱい来てますよね。」
「なんとかしてくれって、市役所に電話したんだよね。」
「……」
一瞬の沈黙の後、自分の誤りに気付いて、黙ってその場を後にしました。
男性がユリカモメの糞のことを
「汚い」
と言ったのを、私は
「来てない」
勘違いしてしまったのです。
「来てない、来てない」
とばかり思っていたので、
「きたない」が
「きてない」に聞こえてしまったのでしょう
そんな凝り固まった頭をほぐそうと、その晩は温泉に入りました。
じゅんちゃん