ありがとう親父の坪倉正明です
今日も大笑いでいきましょう
はい狂犬病いっちょあがり
中学1年生のある日
親父が
「腕相撲しよか」
そう言ってきた
兄貴も
「やろやろ」とニヤけてる
どうせ俺を負かして
バカにする気やろ
そう思ってた私
親父と私が まず対戦
兄貴が張りきって
「ハッケヨイのこった」
ん?
ん?
ん?
親父は本気か?
私は負けてない
あれ?
これは
ひょっとして
グイっと力を入れた
「お前 強なったなぁ」
そう 私が勝ったのだ
左でもやったが
また勝った
兄貴が
「俺には勝てんでぇ」
兄貴と勝負
こいつだけには負けたくない
そう思ってたが
アッサリ勝ってしまった
兄貴が
「左やったら負けへんでぇ」
兄貴は左利き
そして勝負した
なんと簡単に勝ってしまった
たかが腕相撲って
思ってた親父と兄貴
「はっはっはー」
と笑う2人
お
お
俺が
俺が い
俺が一番?
俺が一番?
俺が一番強い‼︎
カチッ
何かスイッチが入った
と同時に
3歳の大事件 が蘇った
クッキリ
ハッキリ
あの時の映像が見えた
その瞬間
「おらぁ お前ら
ちょっと ここ
座れ‼︎」
近くにいたオカンがビックリ
「あんた 誰に言ってるの‼︎」
「やかましい
お前もじゃ‼︎」
親父もア然とした顔
兄貴はどっか逃げて行った
「おらぁ じじい ばばあ」
「ちょっと聞きたい事がある」
「じじい? ばばあ?」
「親に何てこと言うんや‼︎」
「やかましい お前らなぁ」
「3歳の時 ガラスわった時」
「ロクに確かめもせんと俺を犯人にしたなぁ お〜⁈」
「3歳?」
「ガラス?」
「なんのこっちゃ?」
「なんのこっちゃ? はぁ?」
「お前ら 忘れた言うんかい?」
「俺は 絶対に忘れへんぞ」
「あん時の事 納得いくように
説明してくれ‼︎」
「そんな昔の事 忘れたわ」
「殺すぞこら」
「納得いくように説明せんかい
言うとるやろ」
「もう ええやん」
「はぁ⁈」
「3歳から 忘れた事ないわい
いつか話せる日が来たら 必ず
説明してもらうと決めてた」
「早よ 納得いくように
説明せんかい じじい ばばあ
ブチ殺したろか こらっ」
しかし
親父もオカンも
親のプライドか?
「もう ええやん」
「明日も仕事やし」
とか言って
終わらそうとする
私は我慢ならない
「納得いくまで寝かせへん
早よ 説明せんかい ボケ‼︎」
こんな やりとりの繰り返し
時計を見ると
朝の4時
そこでやっと
「気悪くさせたなぁ かんにん」
「かんにん⁈」
「なんじゃそれ‼︎」
「なめとんか」
そして 親父とオカンは
朝の5時頃
「すいませんでした」
と テキトーに謝りよった
そんなテキトーで済むか
そう思いながらも
その日は終了した
そして鬼と化した私
はい
狂犬病
いっちょあがり