今からちょうど一週間前、人生初のアルバイトの面接に行ってきた。何の職種にしようか迷ったが手始めに飲食店から始めてみようという至極まっとうな思考回路を自分は持っている。面接当日、その日は大学の授業が昼で終わったため夕方に面接をすることになっていた。僕は心配性なのでこの日は予定の20分前に来てしまった。

 

 そういえば今まで友達と遊ぶときに、二人で集まるときも、三人でも、十人以上でも僕よりも早く集合時間に来た人、もはや早すぎて集合時間ではないのだが、はまだいない。中学時代の友達グループが一番大きく、13人いるのだがこの共同体でも集合するとなったら僕が一番早い。2番目は絶対に陸上でインターハイに行った奴だ。集合時間を守るやつは必ずどこかしらで結果を出す人だというのは僕の持論だが今はあまり関係がないので深追いはしない。

 

 

 20分前についてしまったのだが面接担当の人の都合もあるだろうと思い、15分ほど様子を見ていた。普段、この待ち時間は本を読んで凌ぐのだがこの日は多少なりとも緊張しているので本は開かない。このまま待って予定時間になっても何も起こらないのだろうと思い、意を決して店の中へ入る。

 

 「すみません、アルバイトの面接できたものなんですけれども」

 「担当のものをおよびしますね」

 

 

 出てきたのは身長が高めな20代後半と思われる男性だった。副店長らしい。店内の端っこの方の椅子に誘導された。ありきたりな質問内容だったが一つだけミスを犯してしまった。副店長のなぜ飲食店にしようと思ったの?という質問の答えで間違えてしまった。僕はこう答えた。もちろん塾講師のバイトなども考えましたが、飲食店って大変じゃないですか、だから少し大変な経験をしておいた方が役に立つのかなと思って飲食店で働きたいと思いました、と。副店長は珍しいねーと笑いながら反応した。でもその瞳の中には僕に対する嘲笑の色があったように感じられた。若いくせに苦労を感じたいとか甘いこと言ってんじゃねーよ。目の奥でそう言っているような気がした。

 

 採用でも不採用でも連絡するということだったが、いつ頃連絡するかを聞き忘れた。

 

 1週間がたってもまだ連絡がこない。落ちたな。いや、いつ頃連絡するのかを向こう側から言わなかった時点で落ちていたのかもしれない。電話を掛けた。しかし副店長が不在だということだった。次の日、もう一度電話を掛けた。不採用だった。

 

 

 電話を相手が切ろうとしたとき、僕は

 「不採用の理由を伺ってもよろしいでしょうか」と質問した。

 すると、

 「シフトの都合で、、、、、、」とあいまいな返事が返ってきた。

 

 

 シフトの都合でってどういうことだ?シフトの都合でって行きたくない遊びや飲み会に誘われたときに断る言い方じゃないのか?

 

 

 何がダメだったのだろう、当日の服装がダサかったからか、眼鏡だったからか、(普段はコンタクト)理系だからか、やっぱり質問に変な受け答えをしたからだろうか。まあ仕方がない。

 

 

 そういえば次の土日行きたくはないが行きたくはない新歓に友達から誘われている。シフトの都合でと断っておこう。