司法解剖の検査費用約8600万円をだまし取ったなどとされた元大学教授巽信二被告(68)に懲役5年の判決



 2023/06/14(水)の判決で大阪地裁は、検査費用の水増し請求について部下と共謀して行ったと認め、「法医学教室の最高権威者として犯行に関わり、多額の利益を享受していて、実刑は免れない」として、
巽被告に懲役5年を言い渡しました。


巽 信二(たつみ しんじ、1954年 - )は、日本の法医学者。元近畿大学医学部法医学教室主任教授。詐欺容疑により懲戒解雇された。

2021年3月末で定年退職を予定していたが、後任への引き継ぎの中で業者との不明瞭な取引が判明し、定年前日の2021年3月30日付けで懲戒解雇。
2021年6月9日、医療機器販売会社の元社員と共謀し、架空の領収書を偽造[6]、医療用品の購入を装い近畿大から約1700万円をだまし取った容疑で大阪府警察捜査2課により逮捕される。
2021年6月30日、総額約2100万円相当の私物を経費で購入した容疑で元社員と共に再逮捕された。7月16日には司法解剖の検査費を水増し請求して約5100万円をだまし取った容疑でも再逮捕された。
2021年、7月8日、上記の逮捕・起訴を受け、「章にふさわしくない非行があった」と判断され、警察協力章が取り消された。
2021年10月の初公判では、大学からの詐取は認めた一方、府警から司法解剖の検査料をだまし取ったとする起訴内容については無罪を主張した。

2022年2月10日、大阪府警より遺体解剖の検査料約200万円をだまし取ったとして、追送検される。府警は一連の捜査を終え、立件総額は大学の経費詐欺事件と合わせて計約1億円に上った。
2023年3月13日、大阪地方裁判所で公判が開かれ、検察は懲役7年を求刑した。経費をだまし取った罪については「大学が使い道を深掘りしないことをいいことに悪用した」と認める一方、司法解剖を水増し請求したとする罪については「私は全国に150人しかいない法医学者の内の1人で、これまで4000体の司法解剖をしてきた。不正などありえません」と無実を主張した。
2023年3月15日、近畿大学による最終報告書が公表された。被害総額は1億4945万5175円に上り、そのうち7100万7487円が大阪府警察への過大請求となる。被害総額のうち4961万8017円は当人の代理人を通して弁済されている。

2023年6月14日、大阪地方裁判所により「信頼のある立場を悪用した巧妙で継続的な
犯行だ」などとして、懲役5年の実刑判決が言い渡された。

逮捕時:
近畿大学医学部で1700万円以上の経費をだましとったとして、巽信二被告(68)元教授が逮捕されました。
長年、事件の真相解明に尽くしてきたという人物に何があったのか。その経緯を振り返ります。
【徹底取材】経費不正の闇・・・近大医学部元教授を逮捕【ウラドリ】

(2021年6月10日放送)
https://www.youtube.com/watch?v=QjpjeoaR-cc