みらい耳鼻咽喉科 スタッフの大道知美です。
タイトルにあるような症状は、耳管(じかん)の機能が大きく関係します。
当法人の院内情報誌 Angel Ear で掲載した「耳管」についての記事をご紹介します。
■耳管って?
耳管は鼻の奥と耳の中をつなぐ管で、成人で3.5センチメートルほどあります。
主な働きは鼓膜の内側と外側の気圧の調整と換気。普段は閉じていて、つばを飲み込んだり、あくびをすると一瞬開きます。耳管の存在を一番実感するときが鼓膜の内側と外側の圧力が変わったとき。耳がつまる耳閉感を感じると、人は無意識のうちにつばを飲み込んだり、あくびをしたり、場合によっては鼻をつまみ力んで耳を通そうとします。新幹線がトンネルの中に入ったときや飛行機に乗った時に、皆さんは耳管の働きに助けられているのです。
また、必要なときだけ閉じたり開いたりすることで、換気の際でも鼻から耳へと進入するウイルスや細菌などから防御する働きがあります。また、自分の声や呼吸する音が入らないようにする働きもあります。
■うまく機能しなくなると
耳管開放 開きっぱなし
文字通り耳管が開きっぱなしになっている状態です。急激な体重減少、経口避妊薬の内服、血液透析中、自律神経失調、低血圧、加齢などが原因といわれています。
耳管が開きっぱなしになると、音の防御に支障をきたすため、耳がこもる感じ、耳に水が入った感じ、鼻息や心臓の音が耳に強く聞こえる、音が響く、耳鳴りがするといった症状をきたします。
耳管狭窄 閉じっぱなし
耳管の入り口が狭くなる状態です。原因としては、風邪(副鼻腔炎・蓄膿症)などの炎症により耳管周囲の粘膜が腫れる、アデノイドが腫れるなどにより耳管の周囲を圧迫することが考えられます。
開放状態と同じく音の伝わりが悪くなるので、耳に水が入ったような感じ、ふさがったような感じなどの症状が現れます。さらに、耳の中の圧力調整がうまくいかず圧力が低い状態(鼓膜が内側にへこんだ状態)が続けば、滲出性中耳炎を発症することがあります。
自分の声が響いたりこもった感じがするなら、これらの機能障害があるかもしれません。
いちど医師にご相談ください。