前回まで、「ベルメウスの時代」で新しい視点のスピリチュアルをお届けしました。
今回は、そんなスピリチュアル感覚を使い、ヒーリング、オーラリーデイングをやらせていただく中で見つけた、スピリチュアル能力を身に付ける手法やそれらを実践した方々のお話しをさせていただこうと思います。
そして皆さんにもスピリチュアル感覚を感じていただき、生活に活かしていただければ幸いだと思います。
この本は1997年に出版されたものに一部加筆、修正してお届けします。
尚、この文章にはヒーリング的な内容が記されている部分がありますが、決して医療的な治療などではなく、あくまでスピリチュアルなヒーリングのお話しであることをご理解下さい。
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1 「不治の病」からの脱出
●一歳の時にかかった小児マヒ
私の体験をお話しします。
私は一歳の時、小児マヒにかかってしまいました。ポリオ・ウイルス、つまり小児マヒのウイルスが大流行し、それに感染したためです。翌年よりソ連(当時)からワクチンが輸入され、日本ではポリオ・ウイルスによる小児マヒはほとんどなくなりました。ですから、私の年代がその最後の感染者かと思います。
私の小さな足は動かなくなり、三輪車にも乗れず、変形して靴もうまく履くことができませんでした。
しかし幸い私はコンプレックスで悩むような性格ではありませんでした。温かく見守ってくれる家族がいましたし、開放的で陽気な性格も手伝って交友関係は上手くいっていたと思います。とくにそのことでイジメを受けた記憶もありません。
ただ小学校、中学校での運動会の徒競走は当然ながらビリになってしまいます。この悔しさが幼い心ながら辛かったのを思い出します。ですがそれ以外ではごく幸せな生活を送っていたので、小児マヒのこともそれほど気にせず、快活に成長することが出来ました。
しかし、その陽気な私を追い詰める、ショッキングな出来事が起こりました。学校を卒業したてのある日、デパートへ買い物に出かけたときのことです。いつもと同じようにルンルン歩きながらふと前を見ると、遠くから足の悪い青年が私に向かって歩いて来るのです。その姿はとてもみすぼらしいように思えました。
足を重くひきずり、そのたびに体を横に大きく傾ける。
「気の毒に! 私も足が悪いけど、あれでは女性にもてないな」なんて、同病相哀れむ気持ちが湧いて来ました。
どんどんお互いに近寄って来ます。そして気づくと、目の前には大きな鏡がありました。相手の姿がはっきり見えるようになって、間の抜けた私はようやくある事実に気づいたのです。
鏡に映る「重く足を引きずるかわいそうな青年」……それは、なんと私自身の姿だったのです。
今までも静止した自分を鏡で見たことは数え切れないほどありましたが、歩いている自分の姿を見たのは その時が初めてでした。
正直、自分の歩き方がこれほどヒドイ姿とは思っていなかった私は、とても自分の姿だとは思えなかったのです。ショックでした。
鏡に映る「かわいそうな青年」を見つめながら、心の中で何かがガラガラと崩れていくような気がしました。
「こんな自分はイヤだ! 普通の人と同じように歩きたい!」
これまでも、そう思ったことがなかったかと言えばウソになります。ですが、私は生まれて初めて、「治りたい!」と魂の奥底から強烈に渇望しました。
to be continued
