5. 競争心

 

 一時期「かけっこで、みんな一緒にゴールする」ということが教育現場で採用されたことがあります。さすがに現在ではこれを行っているところは少ないと思います。

 

 当然だとは思いますが、社会はそんなに「平等」ではありません。

 

 勝ち負けがあります。例えそれが戦場ではなくとも、経済的な場面によっては熾烈な戦いともいえます。

 小さい頃の、まだ命がけではない時代に勝つことの嬉しさ、負けることの悔しさを学ばせることは大切だからです。成績では優劣をつけるのに、かけっこでは平等というのはバランスが悪すぎました。

 

 競争心は「向上心」ともいえるかも知れません。でもちょっと違うのです。

 

 「向上心」は長期的で、あなたが充実して行くための心構えです。

 それに対して「競争心」は短期的な感覚です。「今、この問題に対してどうのように手を打ち対処するか」という瞬発力になるものです。向上心の中のひとつの要素といえるものです。

 

 新しい何かを発明する科学者の方々などはこの競争心を持っているといえるでしょう。「誰よりも早くこの研究を完成させたい」「誰よりも良いものを開発したい」こんな感覚が、より良いものを発見するきっかけにもなります。

 

 そしてこの感覚は、決して「人から何かを奪うこと」ではありません。「競争」というと「他人と争い、奪うこと」と感じているとしたらそれは考え直してして下さい。

 

 あなたに「素敵なライバル」はいるでしょうか。

 

 このライバルの存在は、あなたを向上させるのに大変大切な存在です。ライバルのいる人生は楽しいものともいえるでしょう。

 是非「仮想ライバル」でも結構ですので、人生の競争相手を意識してみて下さい。そうすると、あなたは「自分の立ち位置」をも客観的に見られるようになります。

 

 「ここをもっとこうしたほうがいいな!」こんな気持ちが湧いて来るはずです。

 

 「負けず嫌いなあなた」も魅力的です。

 

to be continued

 

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