二人は気も合っていましたし、相手もこちらを気遣ってくれようとする、どちらかというと面倒見のいいタイプでした。相談者もちゃんと感謝するタイプの人で決して悪い方ではありません。

 では何故、そんな二人が険悪な人間関係に陥ってしまったのでしょうか。

 それは相談者の「甘え」から始まっていました。一年先輩でもあり、年齢が近く、気の合う相手であったために、だんだん気持ちがゆるみ始めてしまったのです。
 もちろん感謝の気持ちは持っていました。でも、そこで「やってもらう」という「甘え」が感謝の気持ちを上回ってしまいました。まさにオーラが届かなくなってしまったのです。相手にしてみれば、「感謝の気持ちは口にするけれど、頼りすぎ! 少しは自分で考えたら!」という気持ちが強くなってしまっていたのでした。

 廻りもそのことに気付いてしまいました。そして結果として、その先輩は「他人の面倒を良く見てアドバイスする人材」。相談者の方は「自分で考えずに甘えている人」という評価に繋がってしまいました。

 もう一歩踏み込んでいえば、先輩も相談者に対して、そこまで行く前に「そこは自分で考えてみようよ!」とアドバイスしておけばよかったと思うのですが、人は気持ちが「ちょっと」すれ違ってしまうと、その気持ちがどんどん大きくなってしまう傾向にあるので、人間関係が悪い方向へ行ってしまうことが結構多いのです。

 あなたが感謝の気持ちを持つことは大切です。
 でも感謝は「していればいい」というだけのものではなく、あなたが「感謝される」存在でなくてはご利益が薄くなってしまいます。

 感謝し、感謝される。

 感謝は「双方向のエネルギー」でバランスするものだということを知っておいて下さい。

to be continued

次回は:DV! 他人を変えられますか?