
5.「鏡よ鏡、鏡さん」あなたが知りたいことって何? 白雪姫の心理
自分以外の人にとっての「私への評価」とは
人間って本当に矛盾だらけの存在です。裏表が沢山あります。
これは困ったものなのですが、昔から日本の諺にもよく現れています。
「渡る世間に鬼はなし」⇔「人を見たら泥棒と思え」
「急がば廻れ」⇔「善は急げ」
「一石二鳥」⇔「二兎を追うもの一兎をも得ず」
探せばいくらでも出てきます。要するに「人間は矛盾しているもの」「世の中には両面ある」ということなのだと思います。
同じものを見ていても、見る角度や立場によって全然違って見えますし、同じ人間でもそのときの状況によってものの見え方は違ってくるでしょう。
そんな矛盾がおとぎ噺「白雪姫」に出てきます。
「白雪姫」に登場するお妃様は毎日鏡に向かって確認します。「鏡よ、世界で一番うつくしいのは誰?」「あなたです!」
仕事をする上においても、生活する上においても、あなたは何を期待していますか。
給料を貰うこと! キャリアアップすること!……、いろいろですね。
でも、本当に満足するのは「他人から認められること」ではないでしょうか。自ら希望してボランティアなどで働くとき、報酬を貰うこともないのに充実感があるのは、まさに「他人のために役に立つ」という心理的満足感でしょう。
給料などの報酬も「他人から認められた」対価でとても大切ですが、「他人から頼られる」「他人に認められる」という実感が生きる上には何にもまして重要です。
何故かというと、これは人間が「集団的生き物」だからなのです。
毎日、自分のうつくしさを確認するお妃は何故、鏡に問うのでしょうか。
これには二つの要素があります。
ひとつは「自信はあるけれど、他人から認められたい。確認したい」という心理。
二つ目は「その自信は確実なものではなく、うつくしさはときとともに衰える」という不安な心理。
自信と不安が交錯しています。これが人間の矛盾です。
あなたが仕事や恋や友情や、生活をするときに持っていると楽になるのが、実はこの鏡です。
「何でそんな鏡が必要なの?」と思いますよね。
お妃様が持っていたのは「魔法の真実の鏡」です。嘘をいわない鏡でした。あなたもこんな鏡を持てればよいですね。「鏡よ鏡、鏡さん! 今日の仕事はこれでよかったの?」「はい! よかったです」。「今日、出逢った人は運命の人?」「いえ、違います!」
本当に便利です。私も、欲しいです。
実はすでに、あなたはこの「真実の鏡」を持っているのです。
「真実の鏡!」それは何でしょう。
to be continued