三間飛車対居飛車穴熊の戦いとなり、図は終盤の入り口です。
後手の香得ですが、先手からは▲３二角成～▲４二竜の狙いがあるので、受けなければいけません。後手の穴熊は金銀の形が悪く、３二金が狙われると弱い陣形です。
△２二金寄
金を逃げましたが、ここはチャンスを逸しました。△７一歩が手筋で、竜が二段目から逸れれば先述の筋を回避できますし、▲８二竜ならどこかで▲８一竜のときに７一歩が竜の横利きを止めることができます。▲８一竜△９八飛成▲３二角成△同銀▲８二竜△４一香(参考図)が予想される進行で、これは後手十分です。
先手の攻めを受け止め、後手からは△２六桂が厳しい反撃として残っています。
▲８一竜△９八飛成▲３四桂
３五の拠点を生かした急所の攻めです。
△５一香
△同馬▲同歩△２六桂（参考２図）も有力でした。
馬は消えますが四枚穴熊を残すことができます。△３八桂成～△２六桂が狙いなので、先手は一回受けることとなります。これは有力な順でした。
▲２二桂成△同金▲２一角成△同玉▲３四桂
角は逃げず後手陣に攻めかかります。
△２六桂▲７八歩
これが焦点の歩で好手でした。馬で取れば竜の利きが止まり、竜で取れば馬の利きが止まるのでどこかで▲２二桂成△同銀▲２三歩で一気に迫れます。応対が難しい上に先手玉は端の位が大きく簡単には寄らない形で、ここでやや後手が苦しくなったと思います。その後は押し切られる形で敗戦となりました。