【忘れられない】父の死⑨~五十日会その3

 

 

こんにちは、amyです(^^)

 

 

 

父が亡くなり、51日目に、

五十日会ということで

動物園に行きました。

 

 

孫が

「じいちゃん、ラクダに似とる」と

言ったことから、

ラクダに会いに行こうということになったのです。

 

 

この動物園のラクダは、

いつも毛皮がボロボロで、

いつ行っても寝ていたり、

奥を向いていて、

正面から顔を見たことがありませんでした。

 

 

暑いのかな。

寒いのかな。

動かないね。

毛もボロボロだねぇ。

お年寄りなのかねぇ。

 

 

毎回そんなことを言いながら

ラクダの前を通り過ぎていました。

 

 

 

そんなラクダが、

初めて見るほど毛並みの整ったラクダが、

立ち上がり、

顔を見せてくれました。

 

ラクダをバックに、

涙ながらに記念写真する13人に、

ラクダは優しいまなざしを向けました。

 

 

 

上の写真。

実は初めてあの場所から撮影し、

さらに初めてラクダがこちらを向いていました。

 

この動物園のラクダは、

坂道の途中に展示してあり、

坂の真ん中あたりで止まり、ラクダを見て、

坂を上り切り、次の動物がいる。

そんな作りなのです。

 

あの写真は、

坂を上り切る手前で

ラクダにカメラを向けて撮りました。

 

いつも人間に背を向け、

横顔だけは見せてくれていたラクダの、

真正面の顔を撮影することができました。

 

本当に優しいまなざしの顔を。

 

 

あなた、

そんな顔だったのね(*´▽`*)

 

 

さて、ラクダじいちゃんに会うことができ、

目標達成の私たちは

のんびり動物園を回りました。

 

 

そして、それは起こりました。

 

 

 

私の父は若いころ、

とってもゴリラ顔でした。

写真で見る父は、

とってもかっこよかったのです。

 

お通夜や葬儀で

昔のアルバムを回し見て、

改めて、

サル顔だねぇなんて

親戚に言われていた父。

 

 

年を取り、孫たちにはラクダと言われ、

いつもみんなに笑いを提供する存在でした。

 

 

動物園も後半になり、

チンパンジーやマンドリルなどの

展示が近づいてきました。

 

一行がチンパンジー檻の前に立った時、

一頭のチンパンジーがこちらに気づきました。

 

次の瞬間。

 

 

そのチンパンジーが

私たちに近づいてきました。

 

リニューアル前は、

屋根がなく、

手前に深い堀がある展示でした。

 

今は一つの大きなガラス張りビルのような中に、

数頭のチンパンジーがいます。

 

そのうちの一頭が、

私たちに気づいた途端、

ササーっと歩いて近づいてきました。

 

私たちは、

えーすごいねー。

来てくれたねー。

珍しい~。

なんて言いながら、

そのチンパンジーにカメラを向けたりしました。

 

 

母が手を差し出し、

チンパンジーの前のガラスを触りました。

 

そのチンパンジーの目が

優しいものに変わったように感じました。

 

これは!と思い、

私は写真と動画を撮り始めました。

 

 

母が涙を流し、

じいちゃん(父)に似とるね。

会いに来てくれたんかね。(涙

とガラスをすりすりしていると...

 

 

 

!!!!!!!!(*´Д`)!!!!!!!!!!

 

 

 

そのチンパンジーは、

ガラス越しに母の手を触ろうとしました。

 

母がさらに泣き、

おお~〇〇(父の名前)~、

私が分かるんか~。

とガラスをすりすり。

 

チンパンジー父も

ガラスをすりすり。

 

 

親戚13人はみんな泣きながら

きゃー!!

ギャー!!

なんで~~!

すごい~~!

とチンパンジーの前で大騒ぎしてしまいました。

 

周りの方、ご迷惑おかけしました。

すみません。

 

 

母が何度も何度も

ガラスすりすりを繰り返し、

その度に、

ガラスすりすりをお返しする

チンパンジー父に、

私も涙と興奮が止まりませんでした。

 

 

数分後、

チンパンジー父は、

ハッとしてチンパンジーに戻り、

仲間のもとへ戻っていきました。

 

高い木の上に上り、

お~い、もう帰るんか~と言う

母の方をずっと見たまま。

 

しばらく母は、

そのガラス張りビルの前を

離れることができませんでした。

 

孫たちがマンドリルなどに進み、

やっとそれらに付いて行くことになりました。

 

 

この日は本当に

絶対に忘れることのできない1日となりました。