久しぶりに虹翔の隣で眠れる夜は、まるで産院で母子同室が始まった時のような、そんな初々しく、愛おしい気持ちだった。


虹翔は夜も1人でモゴモゴおしゃべりしていた。


こんな虹翔を見るのも、久しぶり。





生まれた時からつけていた育児日記。
PICUに入ってからの10日間は、毎日日記しか書けず、これまで書いていた尿や便の回数、睡眠時間や授乳時間の記録とのころは、真っ白。


1ページちょっとの空白。


今日からまた、書き始めることができる。
虹翔の成長を、時が経っても忘れないように、毎日事細かく記録した。







朝になり、担当の先生が来てくれた。


今後はミルクの量を増やしていって、点滴を内服薬に切り替えていく。
それができれば、PIが抜ける。







今日の虹翔は、昨日よりずっとお喋り上手だった。
やっぱり、色んな機械音がするところより、パパとママの声や、廊下から聞こえるたくさんのお友達の声が聞こえる方が、虹翔もずっと、楽しいよね。




虹翔の手を口に持っていくと、ちゅぱちゅぱと口を動かした。

泣いた時はおしゃぶりをすると泣き止んでいた虹翔。久しぶりに口の中におしゃぶりを入れてみた。

はじめは私が手で押さえて落ちないように支えていたけれど、だんだんと感覚を取り戻したのか、1人で上手に吸えるようになった。


こんなに口も動かせるようになったんだ、すごい。






そして、今日は、泣いた。
久しぶりにまた聞けた、虹翔の泣き声。

パパが抱っこしたらすぐに泣き止んだ。
 


わかるんだね、パパの温もり。

泣いたらすぐに抱っこしてあげられる、そんな入院生活に戻ったことが、本当に幸せだと思った。





虹翔の目はどうかな。

おもちゃや絵本を左右に動かしてみたら、動かない時もあるが、動く時もある。
気のせいかな?と思う時もあるけれど、20%位は、追視できているような気がする。

まだまだゆっくりだけれど、両手足も動く。

確実に、戻ってきている。





今日もパパとベットの上で体を拭いて、洗髪をした。




朝からずっと、虹翔とパパと過ごせる時間は、本当に本当に幸せで、この幸せを、当たり前に思ってはいけないな、そう思った。



今日は日曜日。
パパは明日からまた、仕事に行く。

ママと一緒だから、安心して行けるよって言ってた。



こんなにタイミングよく、安心できる状態になった虹翔。






虹翔はまだ産まれて128日だったけれど、これまでたくさんの親孝行をしてきてくれた。


私たちももっともっと虹翔のためにできること、探していかないとね。