1月7日 入院して71日目、生後111日。

いつもと変わらない朝5時の授乳中、ドバドバっと噴水のように嘔吐した。4回も。これまでちょろちょろ吐くことはあったけど、こんなにびっくりするほどの嘔吐は初めて。その後も何度か嘔吐、そして下痢。

看護師さんを呼んで朝先生に調べてもらった。

もしかしたらノロかもしれないね、なんて言われて、私も、虹翔ノロになっちゃったかもしれませんなんて他の先生に話したりしてた。この時の私は、かかっちゃったかな〜みたいな、軽い気持ちだった。

やっぱり結果はノロ。

どこからもらっちゃったんだろう?早く良くなるといいな。

ミルクが飲めなくなり、NGチューブを入れることに。オペ前に入れたことはあったけど、それ以来のNG。ミルクは中止。

今日から抗生剤を筋肉注射に変更して、明日から内服薬に変更していく予定だったけれど、嘔吐が治るまでは内服できず、しばらく筋肉注射を打つことになった。

ちょっと退院が延期になっちゃったね。

ミルクを飲まないでいる虹翔は不機嫌で、お腹が空いているからか全然寝付けなかった。泣き止まない虹翔に私もイライラしちゃって、優しくできない時があった。ごめんね。

早くミルク飲めるようになりますように。



やっと寝れたのは0時。その後も1時間おきには目が覚めて、ずっと泣いていた虹翔。



次の日になって、昨日のお昼から嘔吐がなかったから、ミルクをちょっと飲んで問題なければ授乳をしてもいいと先生に言われた。

特に嘔吐もなく授乳でき、NGが抜けた。やったね。

その後は何度か問題なく授乳できていたけれど、夕方またドバッと嘔吐。嘔吐のせいか、今日の虹翔は少し元気がないような気がする。

授乳時間を短くして、なるべく嘔吐しないように夜を過ごした。




ここ最近、頭の抜け毛が目立ってきた虹翔。
赤ちゃんはよく寝ながら頭を動かすから後頭部が抜けるとは聞いていたけれど、ちょっと違う。

後頭部もだけれど、枕の当たらない横の方も抜けている。全体的に薄くなってきていて、くしでとかせば髪の毛が抜ける。なんだか普通の赤ちゃんの抜け毛とは少し違うような気がした。

心配で先生に相談したけれど、副作用で脱毛があるような薬を使ってるわけではないし、赤ちゃん特有の抜け毛だと思う、と言われた。

そうなんだ、と思いつつもやっぱり心配。

髪の毛が抜けているところの頭皮はボツボツ発疹ができていて、今日はそれが悪化している。お尻も赤い。お腹と背中の発疹もまた増えている。

バクタは関係あったのかな、、。皮膚の不安もまだまだ消えなかった。



血液培養については陰性で、ノロを倒せばお家へ帰れる、そう思った。

ちょっと遠回りになっちゃったけど、退院はもうすぐそこ、頑張ろう!と退院に向けてパパと意気込んだ。







日付が変わって3時、なんだか気持ちが悪い。
トイレへ行って部屋に戻ると、気持ち悪さが強くなりドバッと嘔吐した。私が。


ナースコールを押して、お腹が空いて泣いている虹翔から離れた。


そしてパパに電話した。迎えにきて欲しい。

朝4時だったけれど、飛び起きて迎えにきてくれたパパ。

目の前で泣いている我が子に触れることもできない。気持ち悪くて、声をかけるのもやっとだった。

虹翔ごめんね、お腹空いてるよね、ごめんね。

謝ることしかできなかった。
いつもなら泣いたらすぐに抱っこして、オムツを替えたり授乳をしたり歌を歌う。そうするとすぐにご機嫌になる虹翔。今はそんな簡単な単純なことをする余裕すらなかった。無力な自分が情けなくなった。

虹翔、本当にごめんね。




虹翔を1人にするのはすごく不安で不安で、だけどとても付き添いなんてできる状態ではなくて、泣いている虹翔を横目に、看護師さんにお願いして、部屋を出てた。

車の中、気持ち悪さと闘いながらも虹翔のことが心配でたまらなかった。吐いてないかな、泣いてないかな、眠れたかな、、。

虹翔がノロになってから、いつも以上にそばにいてあげたくて、嘔吐したらすぐに横を向けてあげて、体を拭いて着替えをして、少しでも虹翔にストレスを与えないように隣でやってきた。でも自分に移ったら意味がない。

情けなくて落ち込む私に、パパは優しく声をかけてくれた。

いつも頑張ってくれてありがとう。虹翔とママが早く良くなりますように。



家に帰って横になると、パパが栄養ドリンクや食べ物を袋いっぱいに買って来てくれた。

ありがとう。虹翔のためにも早く治さなきゃ。

パパに移っては困ると、別室で過ごした。

朝一で病院へ行き薬をもらい、ひたすら寝た。
毎日寝不足で、久々に何時間も眠りたいなんて思っていたけれど、こんな形でそれが実現できるとは。何も嬉しくなかった。こんなことになるなら、毎日寝不足でも、虹翔と一緒に居られる方が何倍も幸せだ、そう思った。



虹翔の様子が気になって仕方なくて、知り合いの看護師さんに連絡を入れた。

昼間は虹翔の担当だったみたいで、1回も吐かずに過ごせたことや、ミルクの吸収も良い感じだと教えてくれた。元気がないのか寝ていることが多かったみたいだけれど、お風呂は元気に入れたようだ。おしりは赤くなってきているけど他の皮膚は変わりなし。もし明日の朝までミルクの吸収がよければNGを抜いて、経口に変わると教えてくれた。

知り合いがいる病院で、本当に良かった。
虹翔が今日1日嘔吐していないことを聞いて安心した。元気がないのは当たり前だよね、これまで24時間ずっとママと一緒にいたんだもん、泣いたらすぐに抱っこしてくれる、遊んでくれる、ミルクをくれる、オムツを替えてくれる、そんなママが近くにいないんだもんね。オムツだってすぐに替えてあげられないから、おしりも赤くなっちゃうよね。寂しいにきまってる。泣き疲れて寝ているのかな、、と安心する反面、心配は尽きなかった。

でも、夜は虹翔の担当看護師さんが受け持ちで、次の日も知り合いの看護師さんが受け持ちだと聞いて、ホッとした。心強い信頼できる看護師さん。


明日になってNGが抜けてミルクを口から飲んで、元気いっぱいになっていくといいな、ママも早く治して会いにいくからね、頑張ろう。そう思った。


虹翔に1日も会わなかったことなんてない。
会えない日は、初めてだ。
入院しても隣で過ごせていた私たち。
夜になって仕事が終われば揃うことのできた家族3人。

我が子と離れることがどれだけ心配で不安で苦しいことか、実感した。


早く会いたい、、。


虹翔も私も数日すれば良くなるだろう、退院も近いしあと一踏ん張り頑張ろう、そう思った。